【クレジット市場】野村がトップ返り咲き-国内債券引き受け

野村ホールディングスは昨年、国内 債券引き受けランキングで2010年以来3年ぶりにトップに返り咲いた。 安倍晋三首相の景気刺激策を受け、リスクが高めの債券購入に拍車が掛 かったことが背景。

ブルームバーグのデータによれば、野村が引き受けた起債は総額2 兆1600億円と、全体の25%。これに同20%のみずほファイナンシャルグ ループが続いた。13年の債券発行総額は前年比5.4%増の8兆7000億 円。09年以来初めての前年比プラスだった。ここ10数年で最低の借り入 れコストを利用したソフトバンクや東芝の起債を野村が支えた。

野村証券の東正憲DCM部長はインタビューで、「クレジットマー ケットに対するポジティブな影響」があったと指摘。「具体的には電機 メーカーや電力会社など、スプレッドがものすごく広がり、マーケット での調達が難しい状況にあった企業のスプレッドがタイトニングしてき ており、社債市場での調達が可能になってきた」と説明した。

野村は国内債券引き受け業者ランキング首位の座を、三菱UFJモ ルガン・スタンレー証券から奪った。ソフトバンクにとって過去最大規 模の起債を手掛けたことが一因。日本銀行(中央銀行)による異次元緩 和を受け、国内の平均社債利回りは昨年、0.466%まで低下し、03年6 月以来の低水準となった。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリ ンチのデータが示している。世界の社債では2.424%。

ソフトバンクの昨年の起債規模は8200億円で、これは全体の9.5% を占めた。またソフトバンク債の85%が個人投資家向けに販売された。

年限の長期化

サッポロホールディングスは昨年11月、ここ10年余りで年限が最長 となる7年債を起債した。荏原製作所は12月、05年以降で初の通常国内 債を起債し、100億円を集めた。両社ともに格付投資情報センター (R&I)から「BBB+」の格付けを得ている。

大和証券のデット・キャピタルマーケット部シンジケート課の担当 部長、江口尚文氏は、投資家の強気姿勢を背景に13年は格付けがシング ルAやトリプルB格の社債でも「起債年限の長期化が実現した。この流 れは2014年も継続すると想定される」と述べ、「ここから企業収益がさ らに良くなるとすれば、社債を発行する企業のスプレッドがさらにタイ トニングする可能性があり、特にトリプルB格のタイトニングの可能性 は高いと想定される」と付け加えた。

社債発行は昨年4-6月期に3兆1000億円と、四半期としては4年 ぶり高水準に達した。日銀の量的緩和を背景にインフレがあおられ、金 利が上昇するとの懸念を背景に起債を急ぐ動きが出たためだ。しかし、 昨年後半の発行は3兆5500億円にとどまった。国債に対する上乗せ利回 り幅(スプレッド)は安定し縮小。BOAメリルの指数によれば、同ス プレッドは昨年12月27日に27ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)と、07年以降で最も小幅となった。

異次元緩和の影響

みずほ証券の資本市場グループ、シニアエグゼクティブの山口哲氏 は「9月以降は運用が厳しい中において運用収益を確保しなくていけな いということで、長期の年限のものにも投資家が買いを入れるようにな った」と指摘。日本国債を購入する「日銀の異次元緩和により、投資家 にとって貴重な運用手段が失われてしまう」ため、社債購入が続いたと の見方を示した。

東芝は昨年12月に500億円を起債し、13年の発行総額が2000億円と なった。11、12年は起債がなかった。同社の格付けはスタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)が投資適格で2番目に低い「BBB」、R& Iがジャンクの4段階上である「A-」としている。

野村の東氏は「社債の引き受けに関して言うと、われわれの部隊だ けではなくて投資銀行の部隊も強く関与しており、エクイティ・ファイ ンナンスもデット・ファイナンスも含めて総合外交という動きを今後も 進めて行こうと考えている」と語った。

原題:Nomura Wins Top Spot as Abe Revives Risk Appetite: Japan Credit(抜粋)

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