米国株の強気相場は数年持続へ、S&P500のPER拡大が示唆

S&P500種株価指数のバリュエー ション(株価評価)は昨年、金融危機後で最も大幅に拡大した。指数構 成銘柄で値上がりしたのは460銘柄と、少なくとも1990年以降で最多だ った。こうした動きはいずれも株式相場が今後下落すると見込む理由に はならない。

米株式相場は昨年、幅広い上昇で株価収益率(PER)が19%拡大 したため、ウォール街のストラテジストはここ約10年で最も慎重な姿勢 を取っているが、PER拡大の後に株高となるケースは株安が続くケー スの約2倍であることがブルームバーグの集計データに示されてい る。1936年以来、PERが拡大した四半期の次の四半期にS&P500種 が上昇したのは全体の69%の期間に及ぶ。ストラテガス・リサーチ・パ ートナーズの集計データによると、400超の指数構成銘柄が上昇したケ ースでは、その後の年平均リターンはプラス14%。

マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・ショ ール最高経営責任者(CEO)は今月2日のインタビューで、「一段と 人気が高まりつつある一つの証拠は、さらに割高になっていることだ」 と指摘。「この強気相場がさらに2、3年続かなければかなりの驚き だ」と語った。同社は約190億ドル(約1兆9860億円)の運用を手掛け る。

ショール氏は2009年以来、年平均で15%のリターンを達成。マーケ ットフィールドは同種のファンドの94%を上回る成績となっている。 S&P500種は昨年、30%上昇し1997年以来最大の値上がりを記録し た。米連邦準備制度理事会(FRB)の景気刺激策に終了の兆しが見え たものの、5年にわたる事実上のゼロ金利政策に支えられた経済成長が 鮮明になり、株高を後押しした。同指数は2009年3月以降では171%上 昇している。

ほぼ全面高

昨年の株高に出遅れた銘柄はほとんどなく、S&P500種構成銘柄 の9割以上、ラッセル3000指数構成銘柄の約85%が値上がりした。ブル ームバーグ・データによると、09年に427銘柄が上昇したS&P500種は その翌年に13%値上がり。1997年に402銘柄が上昇した後の1年間に は、指数は27%値上がりした。95年に434銘柄が上昇した後、指数 は20%高となった。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、 マーク・ルッシニ氏は、「非常に幅広い銘柄が上昇した。債券ファンド から株式ファンドへの資金ローテーションが始まったことが大きな原動 力だった」と指摘。「相場のけん引役がごく少数の銘柄に限られていな いことは株式相場に強気な要因であり、今後の動きにもプラスだ」と付 け加えた。

ローテーション

ブルームバーグと米投資信託協会(ICI)の集計した上場投資信 託(ETF)と投信のデータによれば、2013年の株式ファンドへの資金 流入は1600億ドル強と、2000年以降で最高だった。一方、債券ファンド からは約800億ドルが流出した。12年までの4年間には株式ファンドか ら約2600億ドルが流出、1兆ドル強が債券ファンドに流入した。

ブルームバーグの集計したストラテジスト予想20件の平均では、 S&P500種は14年に5.8%上昇する見通しで、05年以降で最小の上昇率 になると見込まれている。過去5年間の上昇率予想の平均は11%だっ た。

BMOキャピタル・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、ブラ イアン・ベルスキ氏は先月のリポートで、「バリュエーションは決して 甚だしい過大評価ではないものの、企業利益が目覚しい伸びを示さなけ れば相場が目覚しい上昇を続けるのは一段と難しくなる可能性があるこ とを今の相場は示している」と指摘。S&P500種は14年末までに2.8% 上昇し、1900を付けると予想した。ブルームバーグが集計した予想中央 値は1955。

バークレイズの米国株戦略責任者バリー・ナップ氏も同じ水準を予 想しており、相場は既に業績改善を織り込んだと指摘。シティグループ の米国株担当チーフストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏は先 月、目標を1975に上方修正したものの、ボラティリティ(変動性)の上 昇が年前半の10%の下落につながる可能性があると予想した。

原題:Bull Market Has Years Left for Shaoul as S&P 500 Valuations Rise(抜粋)

--取材協力:Callie Bost、Phil Kuntz. Editors: Chris Nagi, Lynn Thomasson

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