新指数「JPX日経400」がスタート、ROEや企業統治を重視

日本取引所グループ(JPX)と日 本経済新聞社が共同開発した新株価指数「JPX日経インデック ス400」の算出が6日から始まった。資本の効率的な活用など「投資魅 力の高い会社」で構成した株価指数で、日本企業の魅力を内外アピール するのが狙いという。

同指数は1万1728.21ポイント(昨年末比0.3%安)で始まり、一時 は1万1594.65まで下げた。終値は1万1669.06(同0.8%安)。日本株 の主要株価指数であるTOPIXは終値が昨年末比0.8%安、日経平均 株価は2.3%安だった。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、資本効率な どを重視した同指数が登場したことによって今後は「優良株に関心が高 まりやすい」との見方を示す。その半面、実際に投資家にベンチマーク として利用されるかどうかについては「これから判断する必要があり、 まだ手探り状態」とも話していた。

同指数は東証1部、2部、マザーズ、ジャスダックの各市場に上場 する400銘柄で構成される。起算日は13年8月30日で、1万ポイントを 基準値とした。1部からはトヨタ自動車やソフトバンク、2部からJト ラスト、ジャスダックからガンホー・オンライン・エンターテイメン ト、マザーズからサイバーエージェントなどが選ばれている。

各市場の中から市場流動性などによるスクリーニングでまず1000銘 柄に絞った上で、3年平均の株主資本利益率(ROE)と3年累積営業 利益に各40%、選定基準日時点の時価総額に20%のウエートを加味し て、定量的な総合スコアを算出。さらに「独立した社外取締役の選任 (2人以上)」など定性的な要素を加味し、スコアの高い順に400銘柄 を選定した。

「独自性の高い指標」、GPIFは利用検討

JPXと日経新聞によると、3年ROEの単純平均値はJPX日 経400の算出開始時の選定銘柄ベースで11.1%なのに対し、TOPIX は5.7%、全上場企業のうち新指数の非構成銘柄は3.9%。

野村証券の西山賢吾シニアストラテジストは新指数について、 「『株式市場で資本効率性や企業統治が重要』とのメッセージを銘柄選 定基準に反映させ、基準に合致して選定された企業を積極的に評価する ことを明確にした世界でも例の少ない独自性の高い指数」だと昨年12 月30日付リポートで評価。同指数選定のROE平均を考慮すると、今後 は「中期目標ROEを10%台に設定する企業が増えるだろう」と予想す る。

「新指数は日本企業のROE向上および年金資金等の運用改善への カタリストとなることが期待されている」と、メリルリンチ日本証券の 神山直樹株式ストラテジストは昨年11月11日付リポートで指摘した。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は株式投資の一部を JPX日経400に連動する形で運用する、と昨年10月5日付の日本経済 新聞朝刊は報じた。GPIFの三谷隆博理事長は同12月4日のインタビ ューで、同指数をベンチマークとして利用するかは「検討中だ」と述べ た。

JPXの斉藤惇グループ最高経営責任者(CEO)は昨年12月17日 の定例会見で、「GPIFはじめ公的年金や民間の機関投資家に新たな 投資指標として活用していただけるよう説明に回っているところだが、 かなり好意的に受け止められている印象」との見方を示している。

斉藤氏は6日、ホームページでの年頭のあいさつで、同取引所は資 本市場の立場から企業の変革や成長を促す施策に取り組んでいると述 べ、新指数も「そうした施策の一環」としている。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editors: 谷合謙三, 浅井真樹子

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