東北電力:石炭の豪州依存減らし北米にシフト

石炭の消費量で電力会社第2位の東 北電力は、売り主との価格交渉を有利に進めるため、購入量の約半分を 占める豪州産石炭への依存を減らし、北米産などへのシフトを加速す る。

燃料部の榎本隆克課長はブルームバーグ・ニュースのインタビュー で、豪州が最大の供給源であることに変わりはないとした上で「豪州の サプライヤーへのけん制や経済性、安定性を確保しつつどういったこと ができるのかということを考えながら、調達ソースの分散化を進めてい る」と話した。

石炭は自社の火力発電所や、他社と共同で保有する発電所向けに年 間約1200万トンを購入している。榎本氏は、このうち2-3%程度を占 める北米炭の割合を5%ぐらいまで増やす考えを明らかにした。

さらに「北米については昨年来スタディーを進めており、何件か有 望なプロジェクトの検討を進めている状況」だと話した。シェールガス 革命で米国で発電用などの需要がガスにシフトし石炭が余剰となってい ることから「新規案件が恐らく格安で出てくる」との期待があるとい う。北米と同様に安価な石炭を産出するインドネシアやロシアについて も調達を拡大し、豪州依存の見直しを一層進める考えだ。

北米炭をめぐっては、関西電力と九州電力が2012年に共同で年100 万トンの米国炭を購入する契約を締結するなど、他の電力会社も輸入を 増やしている。財務省の統計によると、13年度の累計(4-11月)の米 国産一般炭(発電用石炭)輸入量は約138万トンと、すでに12年度全体 の輸入量(約99万トン)を上回った。全輸入量に占める米国炭の構成比 も1.3%から2.6%に増加している。

値上げ申請でコスト削減

火力発電燃料の調達コスト削減を積極化させる背景には、電力6社 がこれまでに実施した家庭用電気料金の値上げがある。東日本大震災で 被災した設備の復旧費用や停止した原発を補うための燃料費用の増大な どが経営を圧迫し各社は値上げに追い込まれた。経済産業省は値上げを 申請した電力各社に対し、人件費や燃料費の見直しを指示し値上げ幅を 申請時よりも圧縮する形で認可した。

榎本氏によると、豪州炭依存度の引き下げのほか、競争入札やスポ ット市場からの購入を通じた調達の割合を増やすことでも燃料費の削減 に努めるという。12年度には5%未満だったこういった長期契約に依存 しない形の調達の割合を、今年度は10%強まで増やす方針。とりわけ注 目しているのが、トレーダーから持ち込まれる中国や韓国の中継基地か ら出荷される石炭だ。

石炭価格の高騰時には出てこなかったようなこういった中継基地を 出荷地とする石炭の売り物も、現在では豪州の積み出し港の「スポット 価格よりも安い水準」でオファーされるケースが増えているという。榎 本氏は、供給源を多様化させるため安定調達に支障のない範囲で「スポ ット取引を最大限にするように取り組んでいきたい」と話した。

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