債券王のくしゃみでPIMCO全体が風邪-13年の成績優れず

「債券王」の異名を取るビル・グロ ース氏は昨年、米金融当局による量的緩和縮小のタイミングや影響を読 み誤った。これで同氏運用のPIMCOトータル・リターン・ファンド は、成績が20年近くで最も下がってしまった。

だが影響はそれだけにとどまらず、米パシフィック・インベストメ ント・マネジメント(PIMCO)では他の主要ファンドもグロース氏 のミスを反映する成績を残した。金利の動きから投資家を守るために設 計された非従来型のファンドもそうだった。ブルームバーグがまとめた データによれば、運用資産が平均100億ドル(約1兆440億円)を上回る PIMCOの複数の投資信託は、昨年の運用成績がライバルの3分の2 程度を下回り、競合ファンドの半分以上を超える成績を残せた主要ファ ンドは11本中2本にすぎなかった。

エレメンツ・ファイナンシャル・グループで4億5000万ドルを運用す るジョシュア・エマニュエル最高投資責任者(CIO)は「投資方針が はっきりしている場合、読みが外れればビジネスリスクを高めることに なる」と指摘した。

グロース氏とモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)が率 いるPIMCOは昨年、運用資産2440億ドルの旗艦ファンドであるトー タル・リターン・ファンドで過去最大の資金引き揚げを経験した。同ファ ンドの13年の成績はマイナス1.9%と、1994年以来最悪の落ち込みを記 録し、ライバルの64%を下回った。ベンチマーク指数の一つ、バークレ イズ米国総合インデックスは2%下落したが、これには米緩和縮小プロ グラムが影響。S&P500種株価指数が昨年30%上昇したため、伝統的 な債券ファンドから資金が流出した。

30年に及んだ債券相場上昇が終わりつつある兆候の中で、総額2兆 ドルを運用するPIMCOは債券投資の損失を限定したい投資家を引き つける上で非従来型ファンドへの依存を強めている。それでもこうした ファンドも、世界の経済や金利など全てに関してPIMCOの見方に左 右されるため、損失を免れ得ない。

グロース氏はPIMCOのウェブサイトに掲載された昨年12月のイ ンタビューで、同社の投資委員会が設定するモデルポートフォリオが同 社ファンドのポジションを決める原動力になると説明している。同委員 会を率いるのは同氏とエラリアン氏。メンバーらは1週間に4回、2- 4時間の会合を持ち、PIMCOとしての世界観をポートフォリオ運用 担当者の方針に浸透させる。

他の資産運用会社も経済見通しを基に債券に投資するが、 PIMCOほど全社的な規模で行っているところはないと語るのは、モ ーニングスターの投資信託調査ディレクター、ラッセル・キンネル氏 だ。同氏は電話インタビューで、「考え方があれほど多くのファンドに 浸透していくのは類を見ない。しかも、非常にうまくやってきた」と述 べた。

過去何年もPIMCOのさまざまなファンドに投資してきたエレメ ンツ・ファイナンシャルのエマニュエル氏は、PIMCOの13年の成績 は気にならないと語る。同社を「世界でも指折りの優れた資産運用会 社」と呼ぶ同氏は、長期的な成績の良さを指摘。12年にはPIMCO の11本の主要ファンドがライバルの75%を上回る成績を上げたことをブ ルームバーグの集計データは示しており、さらにPIMCOは08年の金 融危機にも十分に備えることができた。トータル・リターン・ファンド は07年にライバルの99%を、08年は82%を打ち負かす成績を残した。

原題:Gross’s Mistake on Fed Taper Echoes Across Pimco Mutual Funds(抜粋)

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