焼け付くような暑さの10月のある 日、南アフリカ共和国のヨハネスブルクの南西にあるブリブールイツイ チト金山で失業した労働者たち数人が、解体した牛の部位をかき集めて いる。8月に職を失って以降、食事にありつけるかどうか見当が付かな くなっている。

男性たちは採掘現場の丘の麓で小さなたき火を囲んでいる。近くに は退去させられることになっている居住区がある。男性のうちの1人が 牛の顎骨を火であぶり、肉をかじった後、残りをさびたドラム缶へ投げ 入れた。

世界の終末を描いたハリウッド映画にも似たこのような光景は、年 初来の金相場の25%下落が、金に依存する世界各地の鉱山町に及ぼす影 響を象徴する極端な一例だ。年間ベースの金相場が13年ぶりの下落に向 かう中、産金各社は米ネバダ州やペルー、パプアニューギニアなどにあ る金山の閉鎖や操業縮小計画を発表している。

ブリブールイツイチトは南アの現地語であるアフリカーンス語で 「幸せの兆し」を意味する。最近では将来の見通しはそれほど確かなも のではなくなっている。ブリブールイツイチト金山を運営する南アのビ レッジ・メイン・リーフは投資を削減し、夏に同金山を閉鎖。1700人の 労働者を解雇した。特に電力価格が高騰し労働者が賃上げを求めている 状況で金価格が下落したため、採掘で利益を上げることが困難になっ た。

管財人の1人によると、今月に入って複数の買い手が浮上したもの の、大手鉱山会社はこの金山に関心を示していない。

世界屈指の金埋蔵量を誇る南アは大きな打撃を受けている。今年の 金相場の下落幅は1981年以降で最大。南アの統計当局によると、同国の 産金業界では1-9月に1万4461人が解雇され、9月時点の雇用者数 は12万6587人。各地で労働者のストが発生しており、産金業界は揺れて いる。

原題:Gold Mines Now Dust as African Jobs Vanish in Decline of Century(抜粋)

--取材協力:Amogelang Mbatha. Editors: Flynn McRoberts, Melissa Pozsgay

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