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GPIF:運用資産が過去最高124兆円・収益率2.71%、7-9月期

世界最大の年金基金である年金積立 金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産額は9月末に過去最高 の123兆9228億円に膨らんだ。7-9月期の運用収益率は2.71%。国内 外の株価上昇などが寄与し、3四半期ぶりの低水準だった4-6月期か ら回復した。

GPIFが29日午後に公表した今年度第2四半期(7-9月)の運 用状況で明らかになった。運用資産額は2008年6月末の122兆9935億円 を上回り、前身の年金資金運用基金として積立金の自主運用を始めた01 年度までさかのぼっても四半期ベースの最高となった。

収益額は3兆2418億円。収益の資産別内訳は国内債券が1.18% で7354億円、国内株式は6.07%で1兆1560億円、外国債券は1.64% で1979億円、外国株式は7.13%で1兆1126億円だった。収益率が1.85% で収益額が2兆2100億円と低迷した前期から持ち直した。

国内債の収益率は今回、08年度以降の22四半期で4番目の高さ。国 内株は9番目、外債は11番目、外株は10番目だった。GPIFの青木重 仁審議役は同日の記者会見で、7-9月期は運用指標となる市場のベン チマークが4資産ともプラスだったと指摘。GPIFはベンチマークに 即したパッシブ運用が中心だと説明した。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは9月末に0.68%。6 月末から0.175ポイント低下(価格は上昇)した。TOPIXは5.3%高 い1194.10。米国債の10年物利回りは2.61%と0.12ポイント上昇した。 米S&P500種は4.7%上げて1681.55だった。

将来は相応のリスクを

三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは 「債券投資で痛い目に遭うほど金利は上がっていない」と指摘。内外株 高と円安による為替差益で「十分カバーできている」と説明した。将来 的な資産構成の見直しは「良いことだ」と評価。国内金利は低い上、米 欧の年金基金のように相応のリスクを取って世界経済の成長から収益を 得る姿勢が必要だと述べた。

厚生年金と国民年金の積立金を運用するGPIFは6月、運用資産 の構成比率を規定する「基本ポートフォリオ」を06年度の同法人設立か ら初めて変更した。国内債を67%から60%に引き下げる一方、国内株式 は11%から12%に、外国債券も8%から11%に、外国株式は9%か ら12%に増やした。目標からの%乖離(かいり)許容幅は据え置いた。 GPIFの三谷隆博理事長は6月、市場環境の激変などがない限り、15 年3月まで現在の基本ポートフォリオを維持する方針を示した。

9月末の資産構成は国内債58.03%、国内株16.29%、外 債10.13%、外株13.49%。6月末は国内債59.87%、国内株15.73%、外 債10.03%、外株12.90%だった。

GPIFなど公的・準公的資金の運用・リスク管理の高度化を議論 する政府の有識者会議は20日にまとめた最終報告書で、国内債に偏った 資産構成の見直しやデフレ脱却を前提とした金利リスク管理、REIT (不動産投資信託)や不動産、インフラ、プライベートエクイティ (PE)、商品など新たなリスク資産の検討などを提言。物価連動債へ の投資も課題に挙げた。GPIFを合議制で高い自主性・独立性を持つ 組織に改編する法改正の必要も訴えた。

座長の伊藤隆敏東大大学院教授は20日の記者会見で、政府・日銀が 2%の物価目標の達成を目指す中、金利上昇に弱い資産構成を変えない と「危険だ。国内債の比率は高過ぎる」と指摘。GPIFが上下8%ポ イントの乖離(かいり)許容幅を活用して52%程度まで「直ちに下げて も違反にはならない」と強調した。

GPIFの青木審議役は29日午後の記者会見で、有識者会議の提言 を「重く受け止めている。今後は所管官庁である厚生労働省と相談しな がら対応を検討していく」と述べた。公的年金は長期運用が可能なので 「ある種の流動性リスクは享受できる。当面と長期をいかにバランスよ くやっていくか」が重要だと指摘。資産配分の詳細についてはコメント を控えた。

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