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【日本株週間展望】4週続伸、余剰マネーと円安-海外勢活発

12月1週(2-6日)の日本株は、 4週連続で上昇しそうだ。世界的な景気回復と金融緩和を背景に、投資 家が運用リスクを積極的に取っている。円安進行で国内企業の業績改善 期待も強まっており、海外勢を中心とした投資資金の流入が続く。

ベイビュー・アセット・マネジメントの高松一郎運用第2部長は、 日米比較で「株価収益率(PER)は同じくらいだが、企業業績のモメ ンタムが強い日本株の方が割安」と指摘。過剰流動性を背景に「マネー が先進国のリスク資産に向かう流れ」となっており、海外投資家が再び 日本株への買い姿勢を強めるなど、需給環境も良好と言う。

11月最終週の日経平均株価は、前の週末に比べ280円15銭(1.8%) 高の1万5661円87銭と3週続伸。米国経済指標の改善や1ドル=102円 台に入った為替の円安が好感された28日には、終値で5月22日に付けた 年初来高値を半年ぶりに更新、2007年12月以来、約6年ぶりの高値水準 に戻した。

SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは、「市場 の見方が当面はカタリスト不足で小動き、との方向に収れんしていたた め、逆に動きやすい状態が整っていた」と分析。日本株にとってのポジ ティブ材料は14年春先以降とみるのが標準的だが、「米国のマクロ経済 指標の堅調、国内企業の好決算で先行きに対する安心感が広がる中、市 場が早めに織り込み始めたとしても不思議ではない」としている。

米国から先進国へ

米国では、10月の雇用統計以後も良好な経済指標が相次ぐ半面、連 邦準備制度理事会(FRB)のイエレン次期議長は上院での指名承認公 聴会で、金融面での刺激策を性急に引き揚げることはないとの姿勢を示 した。欧州中央銀行(ECB)も政策金利を過去最低の0.25%としてお り、日米欧で金融緩和の足並みがそろい、米S&P500種株価指数、独 DAX指数は史上最高値にある。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、FRBが景 気刺激的な金融政策を相当期間継続する、との見方から米国株が上が り、「それに引っ張られ、余ったマネーが米国に準ずる先進国に向か い、日本でも株高が起こっている」との認識だ。一方で、バブル崩壊へ の懸念がある新興国には資金が向かいにくい、と指摘している。

また、為替市場では1ドル=102円台と半年ぶり、1ユーロ=139円 台と2008年10月以来の円安水準に振れており、輸出セクターを中心に収 益上積みの余地が増してきた。日本銀行の企業短期経済観測調査(短 観)によると、13年度の想定為替レートは1ドル=94円45銭。

海外株高の流れ、円安による業績期待で売買代金シェアで過半を握 る海外投資家の日本株買いも活発だ。東京証券取引所によると、11月3 週まで4週連続で買い越し、直近2週間の買越額は1兆8000億円を超え た。ベイビューの高松氏は、「信用取引の決済期日到来、証券優遇税制 の年末廃止を控えた個人の売りを外国人が吸収している」と話す。

過熱、先物主導の反動に懸念

一方、日経平均は25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率が29 日時点で5.7%と、短期過熱を示す5%を上回る。さらに、直近の相場 急伸は先物主導の投機的色彩が濃いとし、逆回転を警戒する声も市場参 加者の間では根強い。先物の影響を受けやすい日経平均主導の相場を映 し、TOPIXとの相対関係を示す「NT倍率」は28日に12.47倍 と、2000年以降で最高水準を記録した。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者 (CEO)は、「ここ半月くらいの上げは明らかに短期売買の投資家が 先物を買い上がっている。中長期の資金が現物を買っている雰囲気はな い」と指摘。中長期運用の投資家は年末まで静観するとみる半面、「短 期資金が持ち上げた分がそっくりはげる」リスクに警戒感を示す。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投資家の円のネットショート(売り越し)は19日時 点で前週比1万7109枚増の11万2216枚。3週連続で売り越し幅が拡大、 6年4カ月ぶりの高水準に膨らんでいる。一方、日本株の裁定買い残 は22日時点で4兆575億円と、約半年ぶりの多さ。相場がいったん逆方 向に向かえば、持ち高解消の動きが加速しやすい状況だ。

米重要統計、国内IPOラッシュ

12月1週は、米国で重要経済指標の発表が多い。2日は11月の供給 管理協会(ISM)製造業景況指数、4日にADP雇用統計やISM非 製造業景況指数、5日に7-9月期の国内総生産(GDP)改定値、6 日に雇用統計などだ。ブルームバーグ調査の予想中央値では、ISM製 造業景況指数が55.0(前回56.4)、米雇用統計の非農業部門雇用者数 は18.3万人増(同20.4万人増)を見込む。

野村証券エクイティ・ストラテジー・チームの柚木純ストラテジス トは、これらの指標が「あまり強過ぎると、早期のテーパリング(量的 緩和の縮小)が再び意識され、世界的に株式から資金が流出しやすくな る可能性もある」としている。

国内では2日に10-12月期の法人企業景気予測調査、11月の新車販 売台数、6日に10月の景気動向指数が公表予定。このほか、年末の新規 株式公開(IPO)ラッシュの先陣を切り、3日にライドオン・エクス プレス、6日にオンコリスバイオファーマがマザーズに上場する。 IPO銘柄は、昨年12月上場のシュッピンとユーグレナから今月22日の じげんまで、40社連続で初値が公開価格を上回り、初値上昇の連続記録 は05年10月から06年2月の66社以来。野村証の柚木氏は、「IPOの好 調が続けば、個人投資家のセンチメント向上も期待できる」と言う。

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