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円が対ドルで半年ぶり、対ユーロ5年ぶり安値-午後下げ渋り

東京外国為替市場では円が一時対ド ルで半年ぶり、対ユーロで約5年ぶりの安値を更新。前日までの流れを 引き継ぎ、売りが先行した。午後には日本株の下落を背景に下げ渋る展 開となった。

ドル・円相場は1ドル=102円台前半でこの日の東京市場を迎える と、午前11時前に一時102円61銭と5月23日以来の水準まで円売りが進 行。午後に入り日本株が下げ幅を拡大すると、じりじりと値を切り下 げ、一時102円18銭まで円が買い戻された。午後3時半現在は102円32銭 前後となっている。

ユーロ・円相場は欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測の後 退を背景に一時1ユーロ=139円71銭と2008年10月以来のユーロ高値を 付けたが、午後には139円10銭まで値を戻し、「行って来い」の展開と なった。同時刻現在は139円35銭前後。

三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチの内 田稔チーフアナリストは、「あらゆる通貨ペアで円安が進んでいるの で、それなりに円ショート(売り持ち)はたまっているだろう」と言 い、来週の米雇用統計の発表前に「若干の調整」が入る可能性はあると 指摘。もっとも、「全部解消したり、円ロング(買い持ち)にひっくり 返すような人はいないだろうから、調整といっても程度は知れている」 とし、円が反発したところは新たな円の売り場になる可能性が高いと語 った。

この日の東京株式相場は反落。前日に約6年ぶり高値を付けた日経 平均株価はプラスに転じる場面も見られたが、午後に下げ幅を拡大し、 一時前日比1.4%安となった。

デフレ脱却の動き

朝方発表された日本の10月の全国消費者物価指数(CPI)は、生 鮮食品を除くコア指数が前年比0.9%上昇と事前予想と一致した。伸び 率は08年11月以来の水準で、5カ月連続の上昇となった。

内田氏は、「物価統計は米雇用統計などと違って相場がそれほどビ ビッドに反応するものではないが、象徴的だったのは東京分のコアコア のところがプラスに転じてきたところだ」と指摘。食品とエネルギーを 除いたコアコアの物価が上がるということは、「単なる円安による輸入 インフレではなく、幅広い品目で物価が上がっているということ」だと し、朝方の円売り虚構面では日本の「デフレ脱却の動きが若干意識され た可能性がある」と話した。

一方、海外時間にはユーロ圏の11月のインフレ率が発表される。ブ ルームバーグがまとめたアナリスト予想の中央値は前年比0.8%上昇 と、10月の同0.7%上昇から加速する見通し。前日の海外市場ではドイ ツやスペインのCPIが予想を上回ったことを手掛かりに、ユーロ買い が進んだ。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の シニア通貨ストラテジスト、グレッグ・ギブズ氏(シンガポール在勤) は、「ECBにとって金融政策面での余地は限られている。それは能力 というより、むしろ緩和に動く意欲ということだ」と指摘。「通貨高が 欧州を再び危機に陥らせるか、ECBに積極的な行動を強いるまで、ユ ーロは上昇を続けるだろう」と語った。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3600ドル付近から一時1.3622ドル まで上昇し、約1カ月ぶりのユーロ高値を更新。午後には格付け会社ス タンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるオランダの格下げやス ペインの格付け見通しおよびキプロスの格付けの引き上げを受け、上下 に振れる場面が見られた。同時刻現在は1.3619ドル前後で推移してい る。

--取材協力:. Editors: 青木 勝, 山中英典

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