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消費者物価は5カ月連続上昇、生産増加し求人倍率も改善-10月指標

29日発表された10月の経済統計は、 国内景気の回復基調が確認される内容となった。全国消費者物価指数 (生鮮食品を除いたコアCPI)の前年比が5カ月連続で上昇する一 方、生産指数が引き続き前月から増加、求人倍率も改善した。

総務省が発表した全国コアCPIは前年同月比0.9%上昇した。伸 び率は前月から拡大し、08年11月以来の水準。傷害保険料の引き上げや 外国パック旅行の値上げが全体を押し上げた。天候や市況で価格が左右 されやすいエネルギーと食料品を除いた、いわゆる「コアコア指数」 も2008年10月以来のプラスとなり、1998年8月以来の高い伸び率だっ た。

日本銀行は前月31日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポー ト)」で、2014年度のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値、 消費税率引き上げの影響除く)を1.3%上昇、15年度を1.9%上昇と、い ずれも7月時点の見通しを維持した。その上で「見通し期間の後半にか けて、物価安定の目標である2%程度に達する可能性が高い」としてい る。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは統計発表直後の リポートで、都区部の結果やエネルギー価格動向を踏まえると、「11月 の全国コアCPIは前年比プラス1.2%前後となろう。年度内もプラス 1%強で推移しそうだ」と予想。「日銀の13年度見通し(プラ ス0.7%)は達成される可能性が高く、若干上振れリスクがある」とし ている。

一方、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは統計 発表後のリポートで、コアコアCPIがプラス圏に浮上したことについ て「『外国パック旅行』などさまざまな品目に円安や国内でのエネルギ ー高の影響が出ていることに加え、『傷害保険料』という景気と関係が 乏しい品目の上昇が寄与している」と指摘。「今回のプラス転換はデフ レ脱却という判断にそのままつながる話ではない」との見方を示した。

求人倍率は07年12月以来の水準

経済産業省が発表した鉱工業指数速報(季節調整済み、2010年 =100)によると、10月の生産指数は前月比0.5%上昇の98.8だった。上 昇は2カ月連続で、はん用・生産用機械工業や電気機械工業などがプラ スとなった。同省は「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移して いる」との判断を示した。

先行きの生産動向を示す製造工業生産予測指数は、11月が前月 比0.9%上昇、12月は同2.1%上昇と、引き続き堅調な推移が見込まれて いる。

大和総研のチーフエコノミスト、熊谷亮丸氏は発表内容を受けたリ ポートで「生産は今後も増加基調が続く」と予想。消費税増税前の駆け 込み需要で「個人消費が年度末にかけて加速する公算が大きい」ほか、 高水準の公共投資も背景に、内需の増加が生産を押し上げるとみてい る。また、生産と連動性が高い輸出数量も「円安の効果や米国を中心と した海外の景気拡大によって再び増加傾向に復する」と述べた。

景気回復を受けて雇用情勢も改善を示している。総務省などが公表 した雇用指標によると、有効求人倍率(季節調整値)が0.98倍と前月 (0.95倍)から上昇し、2007年12月以来の高い水準となった。完全失業 率(季節調整済み)は4.0%と前月から横ばいだった。

--取材協力:藤岡 徹、氏兼敬子、Chikako Mogi. Editors: 小坂紀彦, 谷合謙三

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