28日の外国為替市場ではユーロが上 昇、円に対して4年ぶり高値となった。ドイツの11月のインフレ率が予 想以上に加速したことで、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測が後 退した。

ユーロはドルに対しては3日続伸。独ザクセン州とノルトライン・ ウェストファーレン州の物価上昇率が5カ月ぶりに加速したことがユー ロ買いの引き金になった。ECBは10月のユーロ圏インフレ率が4年ぶ り低水準に落ち込んだことを受けて、今月の会合で政策金利を0.25%に 引き下げていた。

イングランド銀行(英中銀)が住宅向け融資促進策を終了させる計 画であることを明らかにし、ポンドは対ドルで3日続伸。

マネックス・ヨーロッパの為替市場アナリスト、アイメア・デーリ ー氏(ロンドン在勤)は、「ドイツのインフレ率が下がらずに踏みとど まるほど、ECBにとって追加緩和のハードルは高くなる」と述べた。 各州の中で最初に発表されたザクセン州のインフレ率の数字がユーロを 相当大きく押し上げたと指摘した。

円102円台前半

カナダ・トロント時間午後2時52分現在、ユーロは対円で0.3%高 の1ユーロ=139円08銭。一時は2009年6月以来の高値となる139円18銭 に達した。対ドルでは0.2%高の1ユーロ=1.3603ドル。ドルは対円 で0.1%高の1ドル=102円24銭。一時は5月29日以来の高値102円37銭 を付けた。

米金融市場は感謝祭の祝日のため休場。ドイツの消費者物価上昇率 は欧州連合(EU)基準で前年同月比1.6%と前月の1.2%から加速し、 ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の中央値(1.3%)を上回っ た。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は電話インタビューで、「ドイツの消費者物価指数は 予想を若干上回った」と指摘。「弱い数字が出てディスインフレが強ま り、その結果としてECBの緩和観測が強まるようなことにならなかっ た」とし、安堵(あんど)感が投資家の間で広がっていると述べた。

ブルームバーグの調査によると、29日発表の11月のユーロ圏消費者 物価指数は前年同月比0.8%上昇が予想されている。10月は0.7%上昇だ った。

英中銀

英中銀は28日公表の金融安定報告書で、「融資のための資金調達ス キーム(FLS)」の適用対象は2014年から企業向け融資のみとなり、 住宅ローン向けは外れると説明した。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は「カーニー英中銀総裁の発言にポンドは前向きに反 応した。住宅市場から起こり得る市場の安定を脅かすようなリスクを回 避するため、イングランド銀行がマクロプルーデンス(信用秩序維持) 的な対応を取っていると解釈したためだ。それをタカ派的とみる参加者 もいる」と述べた。

ポンドは対ドルで0.3%高の1ポンド=1.6343ドル。一時は1.6358 ドルと1月2日以来の高値となった。対ユーロは0.2%高の1ユーロ =83.24ペンス。

原題:Euro Climbs as Inflation Data Damps ECB Speculation; Pound Rises(抜粋)

--取材協力:Mariko Ishikawa. Editors: Mark McCord, Keith Jenkins

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE