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ドル・円は102円前半、米景況感改善で-一時半年ぶり円安値

東京外国為替市場でドル・円相場は 1ドル=102円台前半で推移。米国の景況感の改善や国内株価の上昇な どを背景としたリスクオン(選好)の流れで、ドル買い・円売り圧力が 根強い状況が続いている。

午後3時25分現在のドル・円相場は102円09銭前後。朝方に一時102 円28銭と、5月29日以来のドル高・円安水準を付けた。その後はドルの 上値が重くなり、101円94銭まで水準を切り下げる場面もあった。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、「ドル・ 円は米経済指標で良い数字が目立ったことから、102円でストップロス (損切り)を巻き込んで一時102円28銭まで伸びた」と説明。「102円台 に乗せて景色が変わった感じ。5月に付けた直近高値の103円74銭を試 すのではないか。米国は感謝祭の祝日や雇用統計を控えて神経質ながら も、無難に通過すれば、連邦公開市場委員会(FOMC)待ちの状況に なるだろう。じりじりと円安が進むのではないか」と述べた。

国内株式相場は大幅反発。日経平均株価は前日比277円49銭高の1 万5727円12銭と終値で5月22日に付けた年初来高値(1万5627円26銭) を更新し、2007年12月以来の水準を回復。TOPIXは同13.96ポイン ト高の1261.04で引けた。

楽天証券の相馬勉債券事業部長は、ドル・円について「リスクオン の流れで、株を買って、ドルを買う動きになっている。米国は量的緩和 解除は時間の問題。一方、日銀は当面は緩和を続ける姿勢。アベノミク スが機能しているという自信もあって円売りが出やすい」と指摘した。 もっとも「月末接近で若干調整もあるかもしれない」ともみていた。

米経済指標

前日発表された米国経済指標では、ブルームバーグ消費者信頼感指 数が上昇し、MNIシカゴ・リポートの11月の製造業景況指数は予想を 上回った。また、先週の新規失業保険申請件数は2カ月ぶりの低水準と なった。

三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループの村尾 典昭マネジングディレクター(ニューヨーク在勤)は、前日の海外市場 でのドル・円について、「シカゴPMIが出る直前くらいに102円に乗 って、ちょっとストップロスもあったのかなという動き」だったと指摘 した。

円はユーロに対しても一時1ユーロ=138円84銭と2009年6月5日 以来の円安値を付けた。同時刻現在は138円69銭前後。ドイツでキリス ト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)が大連 立政権樹立で合意したのをきっかけにユーロ買いが優勢となっている。

外為どっとコムのジェルベズ氏によると、「昨日、欧州株が堅調だ ったことを受けて、ユーロ・円は上昇した。クロス・円(ドル以外の通 貨の対円相場)も上昇した」という。

一方、ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3613 ドルと10月31日以来のユーロ高値を付け、同時刻現在は1.3585ドル前後 で推移している。

楽天証の相馬氏は、ユーロについて、「ユーロ圏はデフレのリスク があるのではないか。日米のようにユーロ圏は量的緩和を行うことが法 的に難しい。思い切った行動がとれない。欧州中央銀行(ECB)が利 下げをして、政策金利が残り0.25%しかない。デフレ状況になると、通 貨が買われるので、ユーロ高・円安・ドル高という流れが当面続くので はないか」と述べた。

この日は米国が感謝祭で祝日となる。上田ハーロー外貨保証金事業 部の黒川健氏は、「株式・債券市場が休場となるため、方向性の乏しい 展開が予想される」と指摘。もっとも、「米小売業の年間売上高の2割 以上を占めるとされる年末商戦が28日夜から始まることもあり、感謝祭 ホリデーの期間中に、ポジション調整的な動きに押されず、高値圏を維 持できたなら、引き続き米国の景況感の向上から株価が堅調に推移し、 リスクオンの展開が予想され、ドル円・クロス円はさらなる上昇が期待 できる」と言う。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 山中英典

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