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【コラム】外食でもヘルシーな食事、レシートが指導

社会心理学で有名な話がある。人々 に予防注射を受けさせようとする時、その効果について啓蒙することも 大切だが、注射を受けられる場所の地図を配るともっと効果的だとい う。

この発見は基本的だが重要だ。誰かが何かの提案に従わないのは、 その提案を実行に移すための具体的な方法を知らないからかもしれない のだ。

スマートレシート社はヘルシーな食生活を促すためにこのアイデア を応用した。同社のニュートリケート・レシートにはレストランなどで お金を払った時に通常のレシートの情報に加え、買ったもののカロリー と脂肪、炭水化物、タンパク質の量が示される。

レシートにはさらに、「知っていましたか」というちょっとしたメ ッセージが付いている。「サンドイッチにマヨネーズを入れないとカロ リーで150キロカロリー、脂肪分で10グラム減らせます」や、「低脂肪 牛乳は優れたカルシウム源です。1日の必要量の35%を摂取しました」 などだ。

このレシートは食生活を改善させるのだろうか。カリフォルニア大 学サンタバーバラ校の経済学者、ケリー・ベダード、ピーター・クーン 両氏は米北西部に展開する外食チェーン、バーガービルの39店舗で、ニ ュートリケート・レシートを使い2年余り(125週間)にわたり調査し た。

コレステロールが低下

かなり頻繁に表示されるアドバイスに反応があったことが分かっ た。子供用のメニューの付け合せにフライドポテトよりもりんごを選 ぶ、朝食にソーセージなしのサンドイッチを選ぶ、メインディッシュで チーズやソースをかけないなどだ。そして、1回の来店で摂取されるコ レステロールが2.1%減った。ニュートリケート・レシートを使ったこ とによる売上高の変化はなかった。

ベダード、クーン両氏はニュートリケート・レシートが効果を表し た理由について、個人にとって関心ある情報を具体的な行動の提案と組 み合わせたからだと考える。この効果を過大に見てはならない。1回の 来店での摂取カロリーは、ニュートリケート・レシートを使ったことで 変わらなかったからだ。

それでも、フライドチキンよりグリルチキン、アイスクリームより フローズンヨーグルトと、よりヘルシーなアイテムを選ぶ傾向やコレス テロールの低下は、このアプローチが有望であることを示した。

最新のテクノロジーは、消費者が自分に合わせたテーラーメードの 情報を入手し、それを将来の選択のために利用することをさらに容易に していくだろう。(キャス・R・サンスティーン)

(キャス・R・サンスティーン氏はハーバード大学ロースクールの 教授でブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容 は同氏自身の見解です)

原題:Why Healthier Eating Takes More Than Willpower: Cass R. Sunstein(抜粋)

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