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白井日銀委員:2%物価目標への道筋「順調」との表現は不適切-講演

日本銀行の白井さゆり審議委員は27 日午前、徳島市内で講演し、足元の物価上昇について「円安とエネルギ ー価格の上昇が主因」とした上で、2%の物価安定目標の実現に向けた 道筋を「順調」とまで表現することは適切ではない、との考えを示し た。

同委員は生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)の前年比上昇率 について「足元までは2%目標に向かって順調に推移しているのは事 実」としながらも、「先行きの不確実性が大きいとみている中で、『目 標の実現に向けた道筋』のたどり方を『順調』とまで表現することにつ いては現段階では適切ではない」と述べた。

黒田東彦総裁は21日の定例記者会見で「わが国経済は2%の『物価 安定の目標』の実現に向けた道筋を順調にたどっている」と述べた。白 井委員は10月31日の金融政策決定会合で、「経済・物価情勢の展望(展 望リポート)」の採択に反対を表明。同リポートにおいて「物価安定の 目標」の実現に向けた「道筋を順調にたどっている」との表現を削除 し、「道筋を緩やかにたどっている」との表現にすることを提案した。

白井委員は講演でその理由について「幅広い品目で物価が上昇して いるものの、上昇傾向は円安とエネルギー価格の上昇が主因である」と 指摘。さらに、「最近では中長期の予想インフレ率の上昇ペースが緩慢 または横ばい圏内の動きとなっている」ことに加え、「中長期の予想イ ンフレ率と2%目標との間の乖離(かいり)が大きいこと」を挙げた。

資産価格も「上昇傾向は一服」

展望リポートで示された政策委員の見通しの中央値は、コアCPI が2014年度1.3%上昇(消費税率引き上げの影響除く)、15年度1.9%上 昇(同)、実質国内総生産(GDP)成長率は14年度1.5%増、15年 度1.5%増だった。白井委員は実質成長率、コアCPIの見通しともに 委員の中央値より「慎重」にみていると言明。

景気について、輸出をめぐる不確実性が「4月、7月評価対比でや や強まっている」上、個人消費の今後に「不透明感がある」と指摘。設 備投資も「緩やかな回復にとどまる可能性もある」として、上振れリス クより「下振れリスクの方が大きい」と述べた。資産価格についても 「上昇傾向は一服しているようにみえる」として、「足元での株高・円 安の動きを含めて、今後の資産価格の動向に注目している」と語った。

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