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【コラム】ゴールドマンよ、借金隠し助けぬは本気か-レビーン

ギリシャは困っていた。お金を借り たいのだが、借金を増やしたくはない。借金を増やせば欧州連合 (EU)が眉をひそめるからだ。そこで同国はゴールドマン・サック ス・グループのところへ行った。ゴールドマンは言った。では当社がお 金を貸しましょう。でもこの取引は借金ではなく、なんとかかんとかス ワップということに致しましょう-。

しばらくの間は皆がハッピーだった。ギリシャは資金を得られ、取 引の当事者以外にギリシャの借金が増えたことは分からなかった。しか しある時点でこれが発覚し、ギリシャとゴールドマンは責められた。ゴ ールドマンはギリシャの借金隠しを助けるサービスに相当大きな手数料 を課していた。ゴールドマンは先週、そのような取引はもうしないと表 明した。

ゴールドマンのマイケル・S・シャーウッド副会長はチャンネル4 のウェブサイトに掲載されたインタビューで、「今ならあのような取引 は絶対にしない」と述べた。「欧州の他の政府から同様の取引を持ちか けられたが断った。透明性が十分でないと思ったからだ」と語った。

しかし私は、ヘッジファンド関係者からこんなうわさを聞いた。国 の準備通貨は通常は外貨で持つものだが、ベネズエラは故チャベス前大 統領が「ドルの独裁」を嫌ったため、ドルではなく金を大量に持ってい る。ところが金では物を買うことができない。通常なら金を売ってドル を手に入れそれで物を買えばいいわけだが、ベネズエラとしてはそれは したくない。前大統領の政策を否定するようだし、金を売れば資金繰り に困っているように見える。真実であっても、これは具合が悪い。さら に、金は1年前なら1オンス当たり1800ドルだったが今は1240ドル前後 だ。

ゴールドマンが頼り

そういうわけで、ゴールドマンの登場となったようだ。ベネズエラ の新聞ナシオナルは、同国の中央銀行とゴールドマンとの間で金準備の スワップ契約を結ぶ準備が整ったと報じた。期間は2013年10月-20年10 月。規模は145万オンス、25日の価格で18億ドル相当。これがイングラ ンド銀行(英中銀)に預けられ、受け渡し日が決まったらゴールドマン に移され、ゴールドマンはドルを支払うという。金相場下落に備え て10%の調整が行われるほか8%程度の金利が付く。

分かりにくいが、これはベネズエラが金を担保にゴールドマンから 融資を受けるようにみえる。ベネズエラは18億ドル相当の金を担保に、 その90%に当たる16億ドルを7年間ゴールドマンから借りる。ベネズエ ラは約8%の金利を支払う。

これはベネズエラにとって有利な取引なのだろうか。計算の仕方に よりけりだろうが、答えがYESだとは考えにくい。もしべネズエラに とって有利なら、なぜゴールドマンが相手方になるのかが分からない。 また、この取引の目的は何なのだろう。私には知る由もないが、ベネズ エラが金を使って、しかも金は「売らずに」資金を得るように思えてな らない。(マット・レビーン)

(マット・レビーン氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストで す)

原題:What Is Goldman Sachs Doing With Venezuela’s Gold?(抜粋)

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