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中国の防空識別圏設定、安倍首相には「ありがとう」が似合う

安倍晋三首相が中国指導部に送るべ きメッセージは「ありがとう」という言葉かもしれない。中国政府は週 末に東シナ海に防空識別圏(ADIZ)を設定したと宣言。航空機が中 国側に飛行計画を通報をせずにADIZに侵入した場合、中国軍は「防 衛上の緊急措置」を講じると警告した。

ADIZには中国側が領有権を主張して日本と対立する尖閣諸島の 上空が含まれており、同国が日本との緊張を高める行動に出た格好だ。 岸田文雄外相は現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせると抗 議。これに対し、中国国防省の報道官は日本の主張には全く根拠がな く、受け入れられないと応酬した。ブルームバーグ・ビジネスウィーク 誌11月25日号が報じた。

そうかもしれない。しかし、安倍首相にとって中国の好戦的とも映 る動きは好都合だ。昨年の選挙戦で首相は中国に対して厳しい姿勢を示 し、外交政策も中国の台頭を懸念する周辺国との関係構築に主眼を置い ている。

国内経済の課題の大きさを考慮し、安倍首相は野望の一部を保留せ ざるを得なかった。例えば、平和憲法の改正も短期的な課題ではない。 ただ、国家安全保障戦略の年内策定に向けて政府の有識者会議の議論が 進められており、尖閣諸島周辺の領海・領空でのプレゼンス強化が求め られる可能性が高い。中国の最近の動きは日本が変わらなければならな いことを気付かせる良いきっかけとなり、首相が国内の批判を退けるた めにも役立つだろう。

原題:China’s Latest Threat Should Give a Boost to Japan’s Abe (抜粋)

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