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国債と円は大暴落も、日銀緩和を「ドアホノミクス」と批判-浜教授

安倍晋三内閣の経済政策「アベノミ クス」は生計を営む個々の人間に目を向けていない上、世界制覇志向の ため、グローバル化した経済と相性が悪い-。同志社大学大学院の浜矩 子教授は、日本銀行が過度な金融緩和を続けると、円と国債相場の大暴 落を招く恐れがあると警告した。

浜教授(61)は先週、都内での講演で、経済がグローバル化してし まったのに「円安を盛んに追求し、成長の時代よ再び」と唱えるアベノ ミクスは、もはや「アホノミクス」を超えて「ドアホノミクス」と呼ば ざるを得ないと言い切った。「2013ユーキャン新語・流行語大賞」 (「現代用語の基礎知識」選)の候補50語には、アベノミクスの他にア ホノミクスも掲載されている。

安倍政権の経済政策について、浜教授は①経済活動は人間の営みな のに「人間不在」であり、経済学でも経済分析でも経済政策でもない② 成長戦略は世界制覇戦略であり、相互依存・共生を大原則とする世界経 済「グローバル・ジャングル」との親和性が低い-と批判した。

「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」(朝日新聞出版)などの著 書がある浜教授は、これまでの超円高予想は「全く変わっていない」と 言明。「経済の本源的な力学」によれば、同水準まで「ドルの過大評価 が修正されると、世界経済のバランスがとれる。しかも、日本は世界に 冠たる資本輸出大国だ」と説明した。

円の対ドル相場は2011年10月31日に戦後最高値75円35銭を記録。大 胆な金融緩和を求める安倍氏の政権獲得が濃厚となった約1年前から下 落に転じ、今年5月22日には103円74銭とリーマンショック直後に当た る08年10月以来の安値を付けた。25日の東京外為市場では1ドル=101 円89銭と5月以来の円安・ドル高水準を付けた。

最も恐ろしいシナリオ

浜教授は「日銀はもはや、まともな中央銀行とは言えない行動原理 になってしまっている」と指摘。円高回避という「道草を食っている間 に、帰れなくなる怖さがある」と指摘。日銀が極端な金融緩和の一方で 円の価値を軽視していると世界に見放されたら、円安は「道草ではなく なり、底なしの円暴落につながる恐れがある。これは最も警戒すべき、 最も恐ろしいシナリオだ」と警告した。

その場合、日本国債の相場も「一蓮托生で暴落する。国内投資家も 背に腹は代えられないため、見限らざるを得ない」と予想した。

国債・借入金・国庫短期証券を合わせた日本の債務残高は9月末に 過去最大の1011兆1785億円。国際通貨基金(IMF)は政府債務残高の 対国内総生産(GDP)比が今年末に243.5%に達し、09年から少なく とも18年までは世界最悪の座を抜け出せないと予測する。しかし、長期 金利の指標となる新発10年物国債利回りは足元で0.6%台前半と世界で 最も低い。

日銀は2%の物価目標を2年程度で達成するため、月7兆円強の長 期国債を買い入れる「量的・質的金融緩和」を4月に導入。金融機関へ の資金供給量を示すマネタリーベースや長期国債の保有額を2年間で2 倍に増やす方針だ。購入規模は今年度の国債発行総額170.5兆円の約半 分に上る。

浜教授は1975年に一橋大学を卒業し、三菱総合研究所に入社。経済 調査部長や同社政策・経済研究センター主席研究員などを経て、02年か ら現職。

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