コンテンツにスキップする

【今週の債券】長期金利0.6%台の上限探る、急激な株高・円安に警戒感

今週の債券市場で長期金利は0.6% 台の上限を探る展開が予想されている。急激な株高や円安の進行を背景 に金利上昇圧力が掛かりやすいとの見方が出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが22日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.60%-0.68%となった。前週末終値は0.625%だった。

前週の長期金利は序盤に約1カ月ぶり高水準となる0.645%を付け たが、その後は水準を切り下げ、20日には0.61%まで低下。しかし、株 高・円安を背景にして週末には再び0.645%まで上昇した。国内株価は 半年ぶり高値水準まで達したほか、外国為替市場では円は下落。1ドル =101円台前半と4カ月ぶりの円安・ドル高値、1ユーロ=137円台前半 と4年ぶり円安値となった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日本国債にとっては米 量的緩和縮小開始よりもリスクオン(選好)の方が脅威だと指摘。先週 の相場はその方向感で動いたとし、「株高・円安の速さは想定外だ」と 説明した。もっとも、「本来リスクオンと連動する超長期ゾーンのステ ィープ化は遅々としている。生保は10月買い控えた分を埋め合わせるよ うに早い段階で押し目買いに入っている」とも言う。

40年債入札

26日に40年利付国債(11月発行)の利回り競争入札が実施される。 前回発行された6回債と銘柄統合するリオープン発行となり、表面利率 (クーポン)は1.9%。発行予定額は前回債と同額の4000億円程度。

一方、28日には2年利付国債の価格競争入札が予定されている。前 回発行の334回債利回りは0.09%程度で推移しており、クーポンは前回 債と同じ0.1%となる見込み。発行額は2兆9000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は12月物、10年国債利回りは331回債。

◎大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長

先物物12月物144円30銭-145円00銭

10年国債利回り=0.60%-0.68%

「日本株の上昇期待が高まる中、弱含みか。来月初めの米雇用統計 待ちの姿勢も強まる。前回の米雇用統計が良かったことや連邦公開市場 (FOMC)議事録により、いずれ量的緩和縮小を行うとの見方が強ま っている。ただ月末で投資家による保有債券の年限長期化がポジティブ 要因となり、戻す局面もありそうだ。40年債入札は発行額が小さく、需 給は悪くない。2年債入札も良い結果になると思う」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物12月物144円40銭-145円10銭

10年債利回り=0.60%-0.66%

「相場は引き続き調整含み。長期金利は今月初めには0.5%台を試 したが、その後に円安や日米株高など外部環境に変化が起きた。テクニ カル面からは一段の円安・株高を示唆している。FRBの量的緩和縮小 の前倒しリスクも踏まえて米金利も上昇基調にあり、無理をしてまで債 券を買うタイミングではない。ただ、現物需給は引き続き良好なだけ に、金利水準が切り上がる展開までは見込めない」

◎大和証券の山本徹チーフストラテジスト

先物12月物144円50銭-144円90銭

新発10年債利回り=0.62%-0.66%

「当面はリスクオンのセンチメントが続くと想定し、株価に対して 強気にみている。しかし、内外株価が上昇しても国内金利上昇は緩やか にとどまるともみている。今後は景気の回復力が試される。米国では感 謝祭後から年末商戦が始まり、個人消費の力強さが試されるほか、再来 週には米雇用統計の発表が控えている。国内では消費者物価指数が発表 される」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE