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【日本株週間展望】堅調、米景気と業績期待強い-海外勢買い

11月第4週(25-29日)の日本株相 場は、5月以来の高値圏で堅調に推移しそうだ。年末商戦が近づく米国 景気、円安進行を受けた国内企業の業績改善に対する期待感は強く、短 期急騰後にもかかわらず、下値は堅いと予想される。

三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、 「量的緩和の縮小時期が先延ばしされ、米景気の先行きは市場で予想さ れているより良くなるだろう」と指摘。日本株は、「チャート上の三角 もちあいを上抜けたことから、年末までに年初来高値を目指す動きにな ってもおかしくない」とみている。

第3週の日経平均株価は、前の週に比べ1.4%高の1万5381円72銭 と続伸。米景気の堅調や為替の円安基調が好感され、証券や保険など金 融株、電機や精密機器など輸出関連株中心に上げた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が20日に公表した連邦公開市場委 員会(FOMC)議事録によると、政策当局者らは経済の改善に伴い、 月額850億ドルで実施している債券購入の規模を「数カ月内」に縮小す る可能性がある、との認識を示した。これを受けた為替市場では、量的 緩和縮小の観測が強まり、ドル買い・円売りが優勢となった。

GMPセキュリティーズのストラテジスト、エイドリアン・ミラー 氏はFOMC議事録に関し、来年1月か3月に緩和縮小が開始されるこ とを示唆し、「3月の可能性の方がやや高い」との見方を示している。 ただ、11月の雇用統計が強い内容となり、その他の指標も堅調だった場 合、年内12月の縮小開始の可能性にも含みを残す。

ファンダメンタルズ重視の米国

「今の米国株は、量的緩和縮小に耐え得る経済になっているかどう かを経済指標などで確認しており、ファンダメンタルズ重視で動いてい る」と、三井住友アセットの浜崎氏。仮に量的緩和縮小時期の先延ばし 観測が続くと、ファンダメンタルズの条件が整っていないとし、最近の 株式市場では悪材料と捉えられていると言う。

21日の取引で、米ダウ工業株30種平均は終値で初めて1万6000ドル 台に乗せた。新規失業保険申請件数が前週から減少し、雇用市場の改善 を示すと好感されたためだ。22日の東京外国為替市場のドル・円相場 は、量的緩和の縮小観測の強まりから1ドル=101円30銭台と4カ月半 ぶりの円安水準に振れ、同日の日経平均は心理的節目の1万5500円を半 年ぶりに一時上回った。

第4週の米国では、28日の感謝祭(米市場休場)から年末商戦が本 格化していく。20日に発表された10月の米小売売上高は前月比0.4%増 え、過去3カ月で最大の伸びを記録した。ウェルズ・ファーゴ・セキュ リティーズのエコノミスト、マイケル・ブラウン氏は「政府機関の一部 閉鎖による経済への影響は、若干大げさに言われていた」とし、「年末 商戦を控えて「これは歓迎すべきニュース」と受け止める。

ゴールドマンは目標値上げる

米景気回復による世界的なリスク選好の動きから、海外勢の日本株 投資も活発化している。東京証券取引所が公表する投資部門別売買状況 によると、11月2週に海外投資家は差し引き1兆1721億円を買い越し た。買越額は、日本銀行が異次元緩和を発表した翌週の4月2週(1 兆5865億円)に次ぐ過去2番目の多さ。

東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、前回4月の海外 勢の大幅買い越しは、結果的に日本株がその後5月高値に向け一段高と なる起爆剤になった、と指摘。三角もちあいからの上放れをもたらした 今回も、「同様の押し上げ効果を生む」と予想した。

ストラテジストからは、相場の先行きに強気の見方が出ている。ゴ ールドマン・サックス証券のキャシー・松井氏は21日、TOPIXの12 カ月目標を従来の1400から1450ポイントに引き上げた。同水準は、日経 平均では1万7500円に相当。また、15年の目標値はTOPIXで1650、 日経平均2万円とした。アベノミクスの着実な進展、国内のリフレ、高 い利益成長と依然割安なバリュエーションなどを理由とする。

もっとも、日経平均は過去2週間で9.2%上昇するなど上げピッチ が早く、短期的には勢いが鈍る可能性もある。みずほ信託銀行の中野貴 比呂シニアストラテジストは、「日本株は為替次第の相場」とし、第4 週は米量的緩和の縮小時期をめぐるイベントに乏しく、「決定的に方向 感を決めるものがない。為替は1ドル=100円前後でもみ合うとみてお り、株も値固めの動きではないか」と読む。

第4週に発表予定の米経済指標は、26日に10月の住宅着工件数、27 日に耐久財受注や景気先行指標総合指数など。日本では、25日に日銀の 黒田東彦総裁が「パリ・ユーロプラス・フィナンシャル・フォーラム」 で講演し、26日には10月開催の日銀金融政策決定会合の議事要旨公 表、29日は10月の鉱工業生産指数がある。

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