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「殺人都市」がシリコンバレーに、進化するコロンビアのメデジン

午前7時から朝食を兼ねた会議が開 かれるホーワカホリックの街。それでいて、随一のパーティータウンと して知られる街はそれほど多くない。しかし金曜の夜をコロンビアのメ デジンで過ごせば、このパラドックス(逆説)の意味が分かるようにな る。

夜遊びや合法的なビジネスに関して言えば、メデジンには最近まで 誇れるものは多くなかった。ブルームバーグ・マーケッツ誌別冊の高級 ライフスタイル誌「ブルームバーグ・パースーツ」2013年年末号が報じ た。ここには長い間、米国に密輸されるコカインの大半を取り仕切って いた麻薬王パブロ・エスコバルと彼のメデジン・カルテルの本拠が置か れていた。1993年には住民10万人のうち381人が殺害される「殺人都 市」として恐れられていた。

それが今では大胆な公共開発プロジェクトを推進し、独創的な建築 と都市改革のパイオニアとしての名声を急速に築きつつある。南米のシ リコンバレーを目指し、税優遇措置や賃貸料を引き下げるなどして国際 的なテクノロジー企業や新興企業の誘致も行う。

メデジンが変わり始めたのは10年ほど前から。2004-07年にメデジ ン市長を務めた元数学教授セルジオ・ファハルド氏は、「最も貧しい地 域に最も美しい建築を」をテーマに、長らく見放された貧困の厳しい地 域に人々の連帯感を築き、希望の種をまこうといくつかのプロジェクト を立ち上げた。

ファハルド氏の下で都市開発ディレクターを務め、都市改革のブレ ーンでもある著名建築家アレハンドロ・エチェベリ氏は、実際にこうし た構築物が犯罪の減少に貢献したと説明。「これらのプロジェクトは、 非常に隔離された街に信頼とコミュニティー意識を育てるといった、よ り大きなプログラムの一環だ」と話した。

コカインからコーヒーに

メデジンで最も人気のあるパーティーエリアには洗練されたバーや レストランが立ち並び、週末はおしゃれな男女で溢れ返るほどのにぎわ いだ。この街の繁栄ぶりは、より良性の中毒物質、つまりカフェインに も現れている。メデジンは南米の主要なコーヒー産地の中心にありなが らも、長い間まともなエスプレッソを見つけることさえ不可能に近かっ た。なぜなら最良質のコーヒー豆はより豊かな国へと輸出されていたか らだ。

それが最近ではカフェ「ペルガミノ」といった地元のたまり場が出 現し、コーヒー事情は急速に変化している。ペルガミノのオーナー、ペ ドロ・エチャバリア氏は米タフツ大学を卒業した26歳の青年。父親は著 名な実業家でコーヒー栽培業を営む。エチャバリア氏は慣れ親しんだ 「お粗末な」コーヒーから地元の人たちを引き離したいと考えている。

エチャバリア氏もメデジンの暗黒時代には暴力沙汰を起こしたこと もあるが、同氏は「今のメデジンはまったく違う街になった」と話し、 「今はここにいたいと思える」と語った。メデジンに対する最高の信頼 の証かもしれない。

原題:Medellin Sheds Cocaine Image to Become South American Hot Spot(抜粋)

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