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シェール革命で米LPG輸出増、アジア市場で中東産価格を圧迫

シェールガス生産増に伴って米国で の液化石油ガス(LPG)の生産が増えLPG輸出が急増しており、ア ジア市場で中東産LPGの価格を脅かす存在となっている。

世界最大のLPG輸入国・日本を含むアジアは、中国や韓国などと ともにLPGの重要な受け入れ先。最大のLPG生産国であるサウジア ラビアの国営石油サウジアラムコが毎月発表する公示価格「CP」(コ ントラクト・プライス)が指標価格となっている。日本の輸入量の 約85%を占める中東産LPGは、このCPを基準に値決めされている。

LPGはプロパンとブタンの2種類に分けられるが、ブルームバー グの試算によると、1-10月のプロパンのCP平均は1トン当たり832 ドル。2012年の平均と比べて9%下落しており、リーマンショックの影 響で35%下落した09年以降で最大となっている。10月のプロパンのCP は820ドルと、前年同月比2割下げている。

サウジアラムコで勤務経験のあるFEアソシエイツのエコノミス ト、藤澤治氏は米国産LPGのアジア市場への流入が始まったことで 「サウジのCPが圧力を受けている」と指摘し、「来年に本格的な輸入 が始まれば、さらに下落圧力は強まるだろう」との見方を示した。

エルピーガス振興センターの宮恭久主任研究員は、サウジのCP と、米国のLPG指標価格であるモントベルビューのプロパン価格に日 本までの海上運賃を足した金額の格差が5月以降は「60-70ドルで推移 している」とし、サウジアラビアがCPの決定時に米国産LPGの価格 を「意識しているのではと考えさせられるぐらいに格差に変化がない」 と指摘した。昨年9月にはこの格差は300ドル程度あったという。

LPGの輸入国だった米国は12年に初めて純輸出国に転じた。米エ ネルギー情報局(EIA)によると、8月のプロパン輸出量は日量29 万4000バレル(約74万トン)と、前年同月比90%増。5月には同30 万8000バレルと過去最大の輸出量を記録した。11月1日までの生産量も 過去最大の同149万バレルに達した。EIAは40年まで同国が純輸出国 の地位を維持するとの予測を示している。

国内では東京電力が13年から3年間にわたり計20万トンの米国産 LPGを、サウジのCPではなく米国の指標価格に連動する形でアスト モスエネルギーから購入する計画を発表するなど、割安な米国産へのシ フトの動きが加速している。

日本LPガス協会の資料によると、日本の米国産LPG輸入量は12 年度に46万2000トンと05年比で14倍まで増加。輸入量全体に占める割合 は3.5%だった。

同協会の山崎達彦会長(アストモスエネルギー社長)は6日の会見 で、18年には米国産LPGの輸入量が300万トンに達し、輸入量全体 の20%程度を占めるようになるとの見通しを示した。

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