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黒田日銀総裁:上下双方向に金融政策の余地ある-リスク顕現化なら

日本銀行の黒田東彦総裁は21日午後 の定例記者会見で、「上下双方向のリスクが仮に顕現すれば、ちゅうち ょすることなく政策は調整される」とした上で、「上下双方向に政策の 対応余地はある」と語った。

一方で、「現時点では予想された経路を日本経済がたどっており、 上下双方向のリスクが今、顕現化しようとしているわけではないので、 具体的な対応について話をするのは時期尚早だ」と述べた。

量的・質的金融緩和の出口についても「当然、具体的に議論するに 当たっては、その時の経済、あるいは金融の状況を踏まえて、最適な方 法を選択する」としながらも、「具体的なイメージを持って議論するの は時期尚早だ」と語った。

今年7-9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前期比年 率1.9%増と4四半期連続でプラス成長となったものの、前期の同3.8% 増からは大きく鈍化した。黒田総裁は「年率4%程度の高成長が続いた 本年前半からは減速したものの、堅調な内需に支えられた景気の前向き な動きは続いている」と指摘。先行きも「生産、所得、支出の好循環を 維持する下で、緩やかな回復を続けていくとみている」と語った。

同統計で個人消費が前期から大きく減速したことについては「最近 の指標で、特にマインド指標である消費者態度指数が比較的大きく変動 した。百貨店の売上高も少し低調だったが、自動車販売は明確に増加し ているし、旅行などサービス消費も堅調さを維持している」と指摘。 「個人消費の基調に変化はないとみている。先行きは雇用・所得環境の 改善が続くと見込んでいるので、引き続き底堅く推移する」と述べた。

海外経済の判断を半歩前進

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、金融政策の運営方針の現状 維持を全員一致で決定した。会合後に公表した声明で、海外経済につい ては「全体として緩やかに持ち直している」として、前月から判断を小 幅上方修正した。総裁は「海外経済も半歩程度、判断を前進させた」と 指摘。「輸出も緩やかに回復していく」との見通しを示した。

消費者物価の前年比に関しては「エネルギーや食料品を除いた指 数、いわゆるコアコア指数も確か5年ぶりくらいにマイナスからゼロに なってきており、今やかなり幅広い品目で下げ止まり、ないし上昇が見 られるようになっている」と指摘。

先行きについても「現在のような内需を中心とした経済成長が持続 していく下で、消費者物価の上昇率も次第に上昇していき、2%の物価 安定目標を達成できると考えている」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)が7日に政策金利を過去最低の0.25%に引 き下げたことに対しては「物価上昇率については、特に欧州を含めてデ フレではないがディスインフレの傾向が見られることは事実だ。そうい うこともあって、恐らくECBは金利の引き下げを行ったんだろう」と 語った。

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