コンテンツにスキップする

円が対ドルで4カ月ぶり安値、米FOMC議事録で量的緩和縮小観測

東京外国為替市場では、円がドルに 対して4カ月ぶりの安値を更新するなど、主要通貨に対して全面安の展 開。前日発表された10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で 量的緩和縮小の可能性が示唆されたことを背景に、ドル買い・円売りが 優勢となった。

午後3時15分現在のドル・円相場は1ドル=100円73銭前後。午前 から円安基調の強い相場だったが、終盤にかけて円売りがさらに強まっ た。一時は100円81銭と7月19日以来の円安・ドル高水準を付けた。円 は主要16通貨全てに対して安く推移している。

SMBC日興証券の嶋津洋樹シニアマーケットエコノミストは、ド ル・円について、「FOMC議事録では、量的緩和を縮小したいことを 確認した。一方、日銀の現状維持決定は予想通り。特に相場への影響は ない。次の材料は、米国側しかない。量的緩和縮小時期が早まる可能性 が意識されて、100円台に乗せて推移している」と述べた。

日銀はこの日開いた金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を全 員一致で決めた。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト37人を対象 に行った事前調査では、全員が現状維持を予想していた。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が20日公表したFOMC議 事録によれば、政策当局者らは経済の改善に伴い、月額850億ドルで実 施している債券購入の規模を「数カ月内」に縮小する可能性があるとの 認識を示した。

CIBC(カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマー ス)証券金融商品部の大江一明部長は、FOMC議事録について、「い つまでも現在の政策を続けるつもりはもちろんないし、どこかでそれは 普通に戻すということを普通に言ったという印象。経済成長率を見ても 先進国では米国の堅調は抜き出ている。その中で一抜けは誰かと言えば 米国。米国がやらない限り、欧州中央銀行(ECB)も日銀も当然でき ない」と分析した。

米10年債利回りは時間外取引で一時2.81%程度と、9月18日以来の 高水準に達した。円安進行を背景に、国内株式相場では、日経平均株価 とTOPIXがともに高く引けた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、10月のFOMC議事録について、「米景気がしっかりして いれば、年明け以降のどこかの時期で、量的緩和から卒業するとの計画 が示された。サプライズではないが、異次元緩和からの出口が見えない 日本銀行との認識の差が出ており、円安・ドル高になりやすい」と解説 した。

ECB

同時刻現在、ユーロ・円相場は1ユーロ=135円22銭前後、ユー ロ・ドル相場は1ユーロ=1.3424ドル前後で推移している。

バークレイズFXストラテジストの逆井雄紀氏(ニューヨーク在 勤)は、ECBの政策に関して、「マイナス預金金利をやるのではない かという話が出ていて、それに市場は反応した。基本的にはこちらもデ ータ次第だが、ECBはFRBと比べて緩和姿勢が強いというのは間違 いない。そのあたりの対比がはっきりしてくると、やはりユーロ・ドル も緩やかに下がるという可能性が一番高い」と言う。

またSMBC日興証の嶋津氏は、「ECBはユーロ高を受け入れら れない印象。インフレや輸出競争力の観点からもユーロ高にはけん制発 言が出る感じ。デンマークがマイナス預金金利を導入した時には、通貨 高を修正する効果があった」と指摘。もっとも、「ユーロ・ドルが1.4 ドルを上回らなければ、現実的ではないと思う。当面はECBが実施す ることには懐疑的な見方」という。

ユーロ圏ではこの日、11月製造業・景気指数速報値が発表される。 ブルームバーグ予測調査では51.5が見込まれている。前月の改定値 は51.3だった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の黒川健氏は、「ポジティブな結果 が予想され、予想通りの結果となった場合は、ユーロ買いに反応する可 能性が高い」と予想。ただ、「市場では、ECBによるマイナス金利導 入も警戒されていることから、上値は限定的か」とも指摘した。

--取材協力:大塚美佳、Mariko Ishikawa. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE