コンテンツにスキップする

日本株反発、先物主導広く買い-円安も、NT倍率ことし最高

更新日時

東京株式相場は反発。量的緩和策の 縮小時期をめぐる観測で前日に米国金利が上昇、ドル・円相場が一時2 カ月ぶりの円安水準に振れ、業績期待で機械や電機など輸出関連株が高 い。日本の公的年金の将来的なリスク資産投資への期待感もあり、情 報・通信や金融、サービスなど幅広い業種が買われた。

TOPIXの終値は前日比12.88ポイント(1%)高の1246.31、日 経平均株価は289円52銭(1.9%)高の1万5365円60銭。

T&Dアセットマネジメントの温泉裕一チーフ・ストラテジスト は、欧米では景況感が悪くない中でインフレが落ち着いており、「金融 緩和が長期化するとの見方につながり、投資家にとって心地良い環境」 と言う。当面は、「世界的に株高基調が続く」との見方を示した。

20日の米国債市場では、10年債利回りが2カ月ぶりの高水準付近に 上昇。同日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録による と、政策当局者らは債券購入の規模を数カ月内に縮小する可能性があ る、との認識を示した。また、セントルイス連銀のブラード総裁は、債 券購入の縮小が12月のFOMCで議論の対象になる、と述べた。

日米金利差や上昇基調を強めた日本株を手掛かりに、きょうのド ル・円相場は日本株の通常取引時間中に一時1ドル=100円52銭と9 月11日(100円61銭)以来の円安に振れた。

GPIF提言

このほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公 的・準公的資金の運用・リスク管理の高度化を議論してきた政府の有識 者会議は、20日に公表した報告書の中で、デフレ脱却を前提に国内債に 偏った資産構成の見直し、REIT(不動産投資信託)や不動産、イン フラなどリスク資産への投資を検討するよう提言した。

メリルリンチ日本証券の株式ストラテジスト、神山直樹氏は9月の 論点整理の内容を超えていないとしながらも、「運用の目的に日本経済 への貢献を含む点が画期的」と指摘。ファイナンス理論の効率的市場仮 説に依拠し、パッシブ運用を中心とした投資を行っていた資金が、「経 済成長と資金運用の好循環を目指すように変わることは、基本的な考え 方の変化」と受け止める。

円安や国内年金などの材料を受け、反発して始まったきょうの日経 平均は午前9時30分すぎから先物に引っ張られて一段高となり、一 時300円以上上昇。午後もおおむね水準を維持した。日経平均先物12月 物の出来高は約9万3000枚と、前日の6万5000枚を大きく上回った。 TOPIXに比べた日経平均の上げが大きく、両社の相対的位置関係を 示すNT倍率は12.3倍とことし最高水準に達した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、 「ファンダメンタルズ部分を好感し、外国人投資家が再び大量に買いを 入れてきている」と指摘。日本企業の1株利益が上昇しており、「フェ アバリューは切り上がってきている」と話していた。

日銀は政策維持

一方、日本銀行はきょう開いた金融政策決定会合で、政策方針の現 状維持を決めた。会合終了後に発表した声明では、「景気は緩やかに回 復している」とし、先行きも「緩やかな回復を続けていく」との見通し を据え置いた。海外経済については、「全体として緩やかに持ち直して いる」と、前月から判断を小幅に上方修正した。

東証1部33業種は29業種が上げ、上昇率上位は通信、機械、保険、 精密、繊維、電機、水産・農林、証券・商品先物取引など。空運、不動 産、電気・ガスの3業種は小安い。売買高は概算で25億2099万株、売買 代金は2兆3466億円、値上がり銘柄数は1198、値下がり419。

個別では、航空機関連の受注堅調を受け、シティグループ証券が投 資判断を「中立」から「買い」に上げた牧野フライス製作所、バークレ イズ証券が投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」 に上げたミネベアが上昇。先物主導の動きを反映し、ファーストリテイ リングなど日経平均に占めるウエートの高い銘柄も高い。

国内新興市場は、東証ジャスダック指数が0.5%高の96.35と続伸。 マザーズ指数は0.5%高の878.12と8連騰し、9月24日までの連続上昇 記録に並んだ。

--取材協力:竹生悠子  Editor: 院去信太郎

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE