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金融政策の据え置きを決定、量的・質的緩和を着実に推進-日銀会合

日本銀行は21日開いた金融政策決定 会合で、政策方針の現状維持を全員一致で決めた。景気は緩やかに回復 しており、物価もプラス基調を続けるなど、経済・物価情勢が見通し通 りに推移していることから、日銀は当面、4月に打ち出した量的・質的 金融緩和を着実に進める構えだ。

会合では「マネタリーベースが年間約60兆-70兆円に相当するペー スで増加するよう金融市場調節を行う」方針を据え置いた。ブルームバ ーグ・ニュースがエコノミスト37人を対象に行った事前調査では、全員 が現状維持を予想していた。

今年7-9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前期比年 率1.9%増と4四半期連続でプラス成長となったものの、前期の同3.8% 増からは大きく鈍化した。海外経済の減速で外需が足を引っ張った一方 で、公共投資が全体を下支えした。日銀は会合終了後に発表した声明で 「景気は緩やかに回復している」と指摘。先行きも「緩やかな回復を続 けていく」との見通しを据え置いた。海外経済については「全体として 緩やかに持ち直している」として、前月から判断を小幅上方修正した。

ブルームバーグ調査では、追加緩和の予想時期として、消費税率引 き上げ後の来年4-6月との見方が19人、7-9月との見方が7人と、 引き続き大勢を占めた。一方、日銀が量的・質的金融緩和の縮小を開始 する時期を聞いたところ、18人が「見通せない」と回答した。

生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI、消費増税の影響を除く) の前年比が「2015年度までの見通し期間の後半にかけて2%程度に達す る」との日銀の見通しに対しても、「そうは思わない」との回答が35 人。その上で、「日銀は2年で2%の物価安定目標を修正ないし放棄す る」との見方が22人と全体の半数以上に達した。

最終的には物価目標を放棄する

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、日銀が物価安 定目標を「最終的には放棄する」と予想。「消費税率の引き上げ を14、15年に完遂し、さらに1%台の消費者物価で持続的景気拡大が達 成されれば、実質的に物価安定は2%に届かなくとも実質的に理念とし て実現したことになる」とした上で、「政策委員の大方がそう考えたと き、事後的に2%目標は修正されるだろう」という。

みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストも「物価水準が安定 的に1%前後になる状況になった場合、経済の自律的な拡大が続くこと を確認し、2%の物価から『総合判断』に変えて目的設定を変えること はある」とみる。

前回10月31日の決定会合で、木内登英、佐藤健裕、白井さゆりの3 審議委員が「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の内容に反対票 を投じた。SMBCフレンド証券の岩下真理シニアマーケットエコノミ ストは「景気の下振れリスクの顕在化、ないしコアCPI前年比が鈍化 していく過程では、反対票が増えるだろう」と指摘。「反対票の増加 は、いずれは物価安定目標の見直し検討につながっていく」とみてい る。

木内委員は独自提案

木内登英審議委員は21日の決定会合で、2%の物価安定目標の実現 を「中長期的に目指す」とした上で、量的・質的金融緩和を「2年間程 度の集中対応措置と位置付ける」との提案を行ったが、8対1の反対多 数で否決された。日銀は4月4日の会合で、目標実現については2年程 度を念頭に置いて「できるだけ早期に」、緩和期間は、目標を安定的に 持続するために「必要な時点まで継続する」と表明した。

黒田東彦総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は12 月26日に公表される。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェ ブサイトで公表している。

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