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豪ドル反転の可能性、利下げ観測後退で-対NZドルで三番底形成

オーストラリア・ドルが追加利下げ 観測の後退を背景に反発する可能性が出てきた。対ニュージーランド (NZ)ドルでは約5年ぶり安値を下抜け切れず、相場の反転を示唆す る「トリプル・ボトム(三番底)」形成の可能性が意識されている。

豪ドルは今週、対NZドルで一時2008年10月以来の安値となる1豪 ドル=1.1198NZドルを付けた。もっとも、1.119NZドル台の滞空時 間は短かく、その後は1.12NZドル台後半まで値を戻した。豪ドルが

1.1200NZドル割れを試すのは今年3回目。8月はじめと9月下旬には 同水準突破に失敗した後、3%程度反発した。

CMCマーケッツのアナリスト、デズモンド・チュア氏(シンガポ ール在勤)は、1.1200NZドルという水準は「非常に重要なレベルのよ うだ」と言い、「通常、トリプル・ボトムは非常に大きな戻しを伴うも のだ」と指摘。安値の間に付けた戻り高値を結ぶ「ネックライン」が位 置する1.15NZドルを突破すれば、相場反転が確認され、豪ドルは3月 からの下落幅の約半値にあたる1.195NZドルまで上昇する可能性があ ると分析する。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)が19日公表した金融政策決定 会合(5日)の議事録は、「金融政策が金利に敏感なセクターの活動や 資産価値を支えていることを示す兆候が相次いでおり、政策運営に伴う ラグ(遅れ)を考慮すれば、刺激策の効果が当面続く公算が大きい」と 指摘した。豪中銀は11年11月から今年8月までに合計2.25ポイントの利 下げを実施している。

利下げ観測が後退

豪ドルは3月に付けた高値(1.2760NZドル)から約11%下落。資 源投資ブームが衰える中で豪中銀が利下げを続ける一方、ニュージーラ ンドが来年、先進国で最初の利上げに動くとの観測を背景に豪ドル安・ NZドル高が進んだ。

もっとも、オーストラリアでは低水準にある借り入れコストが住宅 ブームをもたらしており、国内インフレ率が予想を上回る中で、市場で は追加利下げ観測が後退している。

ブルームバーグ・データによると、金利スワップ市場では豪中銀が 来年3月までに政策金利を過去最低の2.5%から引き下げる確率が約2 割とみられており、8月時点の5割超から低下している。

豪ドルは8月1日に1.1200NZドルまで下落。その後いったん1.16 NZドル台後半まで戻したが、ニュージーランド準備銀行(中央銀行) のウィーラー総裁が来年利上げを実施する意向を示した後、9月下旬に かけて同水準を再び試し、1.1211NZドルを付けた。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の世界市場調査 責任者、ティモシー・リデル氏(シンガポール在勤)は、豪ドルの対N Zドル相場について、「より長期的にみて、ベースを形成している可能 性がある」と指摘。「豪ドルが1.139NZドルを上回る水準で引けれ ば、よりしっかりとした上向きの形となり、1.195NZドルへの上昇の 可能性も出てくる」と分析する。

NZは利上げ先送り余地

NZ中銀は今月公表した金融安定報告で、住宅バブルを防止する目 的で先月導入した住宅ローンの融資規制が効果を表し始めている兆候が あるとの見解を明らかにした。また、先月末の政策決定会合で発表した 声明では、NZドルの上昇で利上げ先送りの余地が生じる公算があると の認識を示した。

金利スワップ市場動向によると、NZ中銀が3月までに政策金利を 過去最低の2.5%から引き上げる確率は8月初めの時点で8割を超えて いた。現在は6割程度となっている。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、ショーン・キャ ロー氏は、マーケットはNZ中銀による利上げを「かなり積極的に」織 り込んできたと指摘。「1.12NZドルを下回る水準というのは当然、誰 もがこの話でどこまで突き進みたいのかを考え直すところだろう」と語 る。

一方、ウエストパックはオーストラリアの金利政策について、0.25 ポイントの利下げがあと2回あると予想し、豪ドルが来年1-3月期に

1.10NZドルまで下落する可能性があるとみている。

19日公表の豪中銀の議事録では、「豪ドルは以前の水準を下回って いるものの、依然として『不快なほど高水準』にある」との認識が示さ れた。また、「適切な場合には追加利下げの可能性を排除しない」との 見解も示した。

相場の過熱感を表すストキャスティクスでは、基本となる「%K」 のラインが今月15日時点で5.9と「売られ過ぎ」の目安となる20を大き く下回っていた。ストキャスティクスは一定期間のレンジに対する直近 の終値の相対的な位置により、相場の行き過ぎを読み取るテクニカル分 析に使う指標の一つ。

テクニカル指標

また、相場の転換点などを探るための指標として使われるボリンジ ャ―バンドでは、豪ドルが先週後半にバンドの下限に達し、週初にかけ てこれを一時的に下回った。ボリンジャーバンドは移動平均を挟んで上 下に標準偏差の線を引いたもので、値動きの95%程度がバンドが示す標 準偏差の2倍以内に収まるとされている。

ブルームバーグの調査によると、オーストラリアの来年の経済成長 率は実質ベースで2.7%と今年の2.5%から加速する見通し。ニュージー ランドも3%と今年の2.7%を上回る成長率が予想されている。

HSBCホールディングスのアジア通貨戦略責任者、ポール・マケ ル氏は、オーストラリアの経済成長の部分に関しては「今年初めに一部 の人々が考えていたほど悪くないようだ」と言い、「来年の第3四半期 (7-9月)には豪中銀が利上げを検討し始める可能性がある」と指摘 。「豪ドルはここ数週間かなり打ちのめされてきたが、今その調整が始 まった」と語る。

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