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為替ディーラー注文情報流し、デイトレーダーが利益分配か

ロンドンの複数の為替ディーラー が、インスタントメッセージなどを使って顧客注文に関する情報をデイ トレーダーに流し、デイトレーダーがその情報を基に取引を行うことで 個人売買の規制を回避して利益を上げていたことが分かった。事情に詳 しい関係者3人が明らかにした。

こうした慣行を何年にもわたって目にしてきたと語った3人のトレ ーダーによれば、銀行のディーラーが携帯電話やインスタントメッセー ジを使って、執行直前の顧客注文の詳細をデイトレーダーに伝えてい た。これらのデイトレーダーは、ロンドン郊外のオフィスのトレーディ ングデスクを借りて取引をしていたという。トレーダー2人が匿名を条 件に語ったところでは、デイトレーダーらは為替相場の方向を見越した 取引を行い、利益が出た場合には現金で分配していた。

銀行はここ数年、行員の個人勘定取引に関するルールを厳格化して きた。関係者2人によると、一部の行員はそのような規制を回避するた め、業界経験がある元トレーダーなど外部の人間に協力を求めている。

事情に詳しい複数の関係者によれば、市場を動かす可能性が高い大 量の顧客注文を受けた場合、トレーダーは特定の通貨を一定のタイミン グで売買するようデイトレーダーに指示する。売買は通常、わずか数秒 から数分という間隙(かんげき)縫って行われるが、利益を得るにはそ れで十分だという。

現金受け渡しは駐車場

関係者の1人は、ある取引で利益が出た数週間後、現金の入った封 筒を別の為替ディーラーに渡すデイトレーダーの姿をエセックスのバー の駐車場で目撃したと述べた。関与した人物が具体的に誰かは明らかに していない。

このような慣行は、顧客を犠牲にして利益を得ることを防ぐ規制の 網を逃れるためにディーラーがどこまで手を広げるかを如実に示してい る。また、外国為替市場の不正疑惑の舞台が、シティー(ロンドンの金 融街)のトレーディングフロアにとどまらず、郊外のエセックスやケン トで活動する規制対象外のデイトレーダーに拡大している状況も浮き彫 りにする。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の金融市場グ ループのトム・キルヒマイヤー研究員は、「トレーディングフロアから 発せられるあらゆる情報のやり取りを管理する方法を見つけない限り、 銀行がそれを防ぐことはほぼ不可能だ」と指摘する。

ブルームバーグ・ニュースは今年6月、一部金融機関の行員がイン スタントメッセージを使ってポジション情報を共有し、為替レートの指 標であるWM/ロイターのレートの操作を試みていたと行員らの発言を 引用して報道。世界各国の監督当局は、1日当たり5兆3000億ドル (約531兆円)の資金が動く外国為替市場の調査に着手した。

英FCAも調査

別の関係者が匿名を条件に明らかにしたところでは、英国の市場監 督機関である英金融行動監視機構(FCA)はその後調査を拡大し、ト レーダーが個人勘定を通じて為替取引を行っていないかについても調べ ている。FCAのデービッド・クロス報道官は、調査に関するコメント を控えた。

ロンドンの法律事務所コリヤー・ブリストーのジェニン・アレクサ ンダー弁護士によれば、英国のディーラーは非公開情報に基づく取引や 顧客が第3者に出した注文のデータを外部に漏らすことを市場の不正防 止ルールによって禁じられている。

原題:FX Dealers Said to Use Day Traders in Essex for Personal Bets(抜粋)

--取材協力:Suzi Ring. Editors: Edward Evans, Robert Friedman

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