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16カ月連続の貿易赤字、額は10月として最大ー原油輸入が大幅増

10月の貿易収支は16カ月連続の赤字 となり、過去最長を更新した。赤字額は事前予想を上回り、10月として は比較可能な1979年以降で最大。自動車や鉱物性燃料などを中心に輸出 額が増加基調にあるものの、輸入額は原油が大幅に増加したことなどか ら輸出額を上回った。

財務省が20日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出 額は前年同月比19%増の6兆1045億円と8カ月連続で増えた。一方で、 輸入額は26%増の7兆1952億円と12カ月連続で増加し、10月では過去最 大。差し引きした貿易収支(原数値)は1兆907億円の赤字となった。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値 は、輸出が16%増、輸入は19%増。貿易収支は8542億円の赤字だった。

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は発表内容を受け、円安に よる「輸出数量の押上げ効果には時間が掛かることがあらためて確認で きた」と指摘。原子力発電所の停止に伴う燃料輸入の高止まりなどを背 景に「欧米など先進国経済の持ち直しが強まることを想定しても、今後 数年は貿易赤字状態が継続する可能性が高い」と予想した。

輸出品目で増加したのは自動車(前年同月比31%増)、鉱物性燃料 (81%増)、有機化合物(38%増)など。輸入は原粗油(68%増)、液 化天然ガス(39%増)など。原粗油の増加は、昨年10月から石油石炭税 に地球温暖化対策のための上乗せ課税の特例が設けられたことから前年 同月の輸入額が大幅に減少した反動。

地域別の輸出動向でみると、米国向けが自動車を中心に前年同月 比26%増と10カ月連続で増加。対欧州連合(EU)も27%増と大幅に伸 びた。また、中国向けは21%増と7カ月連続で増加した。なかでも自動 車が348%増と急増した。

伊藤忠経済研究所の丸山義正主任研究員は輸出の先行きについて 「10月の持ち直しは鈍いものにとどまったが、輸出の増勢は徐々に強ま る」と指摘。IT(情報技術)・デジタル分野を中心に世界的に製造業循 環が上向きつつあるなどとして、「10-12月期の輸出は7-9月期に比 べて増勢を多少なりとも強める見込み」と予想している。

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