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キャットフードや生鶏肉食べろ、米大学団体「しごき」で溺死も

学生の親睦団体でしごきが「横行」 し、「リスクの高い」飲酒が行われているという警告が専門家からアリ ゾナ州立大学に寄せられたのは2011年のことだった。この警告がジャッ ク・クロリアス氏を救うことはなかった。

2012年11月。同大1年生で19歳のクロリアス氏はフラタニティとし て知られる男子学生団体のパーティーに参加後、姿が見えなくなった。 シグマ・アルファ・エプシロンという名称のフラタニティに入った同氏 は、ここのメンバーから入会の通過儀礼と称して髪をそってキャットフ ードを食べるよう強制され、「地獄の1週間」の間に旗用ポールにつな がれ、ガレージに閉じ込められることになっていると友人は聞かされて いた。

行方不明になって16日後、川で溺れて死亡しているのが発見された 同氏の血中アルコールは規定上限の3倍だった。検視の結果、飲酒と低 体温が原因の事故と判断された。高校時代の級友、ビンス・シルバ氏は クロリアス氏が「怖がっていた」と話す。「『しばらく電話が使えなく なるけど、大好きだよ』という留守電を義理の母親に残していたが、そ れが最後になってしまった」と付け加えた。

05年にバージニア大学など10大学の学長がフラタニティの実態にメ スを入れる対策に乗り出したのだが、クロリアス氏の死はこの取り組み の失敗を物語っている。対策の目玉は全米の大学に散らばるさまざまな フラタニティの支部を全て調べ、実態がひどい支部は閉鎖に追い込み学 生を守ることだったのだが、強制力をもたなかったため、ここ10年近く の間にしごきや危険な飲酒が見つかっても大した効果が上がっていな い。

名門大学でも

ブルームバーグ・ニュースがリポートを入手した61大学の3分の2 近くで、学生のしごきが見つかった。これら大学にはノースカロライナ 州にある私立イーロン大学や歴史ある公立のバージニア州ウィリアム・ アンド・メアリー大学、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校が含まれ ている。学生は眠れないようにされたり、鶏肉を生のまま無理やり食べ させられるといったひどい目に遭ったという。

名門デューク大学を含む半分の大学で過剰飲酒が見つかったほか、 アリゾナ州立大など3分の1の大学ではしごきと過剰飲酒の両方が横 行。調査した教育者やフラタニティ関係者らは、大学に反いじめホット ラインの開設や警察との協力などを促した。ただし、リポートは問題が あるフラタニティ支部を名指しせず、罰則を求めたわけでもないので厳 しさに欠けていた。

アリゾナ州立大はクロリアス氏が入会したシグマ・アルファ・エプ シロンの支部を6月に閉鎖したが、そこに至るには同氏の死のみなら ず、20歳の学生が5月にテキーラ酒を20杯も飲んで入院するという展開 が必要だった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、05年に調査 の必要性が訴えられて以降、フラタニティ絡みで少なくとも60人が死亡 し、その大半が飲酒やしごきに関連したものだった。

それでもアリゾナ州立大による閉鎖前にシグマ・アルファ・エプシ ロンの支部長を務めたロバート・バレンツァ氏は未成年の飲酒について 悪びれない。「大学で経験することの一部にすぎない」と語った。

原題:Freshman Force-Fed Cat Food Shows Frats Thwart Hazing Warnings(抜粋)

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