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リーマンの死が演劇に、始まりから終わりまで-30日までパリで

ステファノ・マッシーニの 「Chapitres de la Chute: Saga des Lehman Brothers(仮訳:墜落の 章、リーマン・ブラザーズ物語)」は伝統的な意味での演劇ではない。 むしろ悲劇的な結末を持つ叙事詩だ。

パリのテアトル・デュ・ロンポワンで上演されているこの演目は、 6人の男性俳優によって演じられる。物語は1844年、ドイツ・バイエル ンに牛商人の息子として生まれたヘンリー・リーマンが米アラバマ州モ ンゴメリーに移り住み雑貨屋を開くところから始まる。

4時間後、時は2008年まで進み、今は亡きリーマン一族の長老たち が時空を超えて集まり、由緒ある投資銀行の死を嘆き合っている場面で 終わる。

この間に、リーマンの事業は綿花、コーヒー、たばこへと広がり、 ニューヨーク市に本拠を移す。事業の内容も商品取引から、百貨店や鉄 道、テレビ、原油、軍需産業など米史上最大規模のプロジェクトの引受 業者へと変遷していく。

故ベルトルト・ブレヒトの演出ならば、伝統的なものから仮想的な ものへと、ますます制御不可能になっていく事業の変遷は反資本主義の 教訓劇になっただろうが、マッシーニは押し付けがましくない。

同時に、マッシーニはもちろん投機家に同情的ではなく、リーマン 一族最後の長老「ボビー」が信じる哲学にも賛同しない。「われわれの ゴールは、この惑星上の消費者どもを、自身のニーズではなく本能に従 って行動させることだ。言い換えれば自己追求だ。そうなれば、銀行と いうものは無敵だ」とボビーは言う。

一方でマッシーニは、リーマン一族の信心深さや美術収集、結婚と 離婚など人間的な面も描く。ニューヨーク州知事になるために一族の商 売を離れたハーバート・リーマンは上院議員として、社会保障と失業保 険、公的規制の熱心な提唱者だった。

基本的に演劇的でない脚本を読むと、テレビの教育番組になってし まいそうだが、監督のアルノー・ムニエは作品をペースの速い、時に爆 笑を誘うショーに仕上げている。

リーマンの死のドラマは30日まで上演。

原題:Lehman Demise Turned Into Drama, Surreal Nightmare: Paris Stage(抜粋)

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