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OECD:世界の成長率見通し引き下げ-日本は今年1.8%予想

経済協力開発機構(OECD)は19 日、今年と来年の世界経済の成長率見通しを下方修正した。インドやブ ラジルなど新興市場国の景気拡大ペース鈍化を考慮した。

OECDは19日公表した半期経済見通しで、世界経済の成長率を今 年が2.7%、来年は3.6%と予想した。5月時点ではそれぞれ3.1%、 4%と見込んでいた。インドは今年が3.4%(5月時点は5.7%)、来年 が5.1%(同6.6%)、ブラジルは今年が2.5%(同2.9%)、来年 は2.2%(同3.5%)と予測した。

OECDの主任エコノミスト、ピエールカルロ・パドアン氏はイン タビューで、「新興国・地域の大部分には基本的に脆弱(ぜいじゃく) 性があり、これまでのような成長は続けられないだろう」と発言。「こ れら諸国は困難な時期に世界経済の成長をけん引する重要なサポート役 を果たした。現在は逆の状況になっているが、先進諸国も再び非常に好 調な時期を迎えたとは言い難い」と分析した。

OECDの経済見通し引き下げは、リーマン・ブラザーズ・ホール ディングスの破綻から5年が経過した今も、世界経済が依然としていか にもろいかを示すものだ。ユーロ圏は今年に入ってリセッション(景気 後退)を脱したものの、OECDはこの日の報告で、欧州中央銀行( ECB)は追加緩和の方法を模索すべきだとし、米連邦準備制度は景気 刺激の縮小を開始する前に今しばらく緩和姿勢を維持する必要があると 指摘した。

米国とユーロ圏

OECDは米国の今年の成長率を1.7%、来年は2.9%と予想。米国 についての予想は5月時点からほぼ変わらず。ユーロ圏は今年がマイナ ス0.4%、来年はプラス1.0%になるとの見通しを示した。13年について の従来予想はマイナス0.6%だった。

パドアン氏は「欧州ではもっと景気を支援する金融政策が可能だ。 われわれはデフレリスクがあると考えている」と述べた。

OECDは報告で、今月7日に予想外の利下げを実施したECBに ついて、過去最悪の失業率や銀行のデレバレッジ(借り入れ依存の解 消)、タイトな信用環境に苦しむ域内経済をてこ入れするため、非伝統 的な金融政策措置を検討すべきだとの見解を示した。

日本の成長率については、今年が1.8%、来年が1.5%と予測。政府 債務が国内総生産(GDP)の230%を超えている状況で、20年の基礎 的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化に向けて「信頼に足る財 政再建プラン」を持つことが「最優先課題」だと論じた。

中国

OECDは、世界経済見通しの変化に対応して政策調整を進めてい る中国について、「小規模な財政刺激策」で内需が回復し、今年 が7.7%、来年は8.2%成長になると予想した。成長が近年に比べて低め となる中でも、流動性と与信の拡大を抑制する必要があるとした上で、 中国政府に社会保障の向上と金融自由化、税制改革を呼び掛けた。

パドアン氏は「中国は引き続き極めて力強い。中国が他の国と違う のは、政府が迅速に経済の弱点に対処し、構造変化を通じて成長を続け てきた点だ。ますます中間所得層中心の国になりつつある」と指摘し た。

OECDは今回初めて15年の成長率見通しを公表し、世界全体 が3.9%、米国が3.4%、ユーロ圏が1.6%、日本が1%、中国が7.5%と 予想した。

原題:OECD Cuts Global Growth Outlook on Emerging-Market Slowdown (1)(抜粋)

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