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【今週の債券】長期金利0.6%台の上限探る、株高・円安や入札に警戒感

今週の債券市場で長期金利は0.6% 台の上限を探る展開が予想されている。国内株価の上昇や外国為替市場 での円安基調、超長期ゾーンの国債入札が来週まで続くことを背景に金 利に上昇圧力が掛かりやすい。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが15日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.58%-0.70%となった。前週末終値は0.63%だった。

前週の長期金利は序盤は0.60%を中心に狭い値幅で推移していた が、週末に水準を切り上げた。外国為替市場で円が1ドル=100円台に 下落したことや国内株価が半年ぶり高値に達したことが売り手掛かりと なった。15日には0.63%と10月17日以来の水準まで上昇した。前週の米 国債市場では米10年国債利回りが一時2カ月ぶり高水準の2.79%程度ま で上昇した。

日本銀行は20、21日の2日間の日程で金融政策決定会合を開催す る。足元で国内景気が緩やかな回復基調にあり、金融政策の現状維持が 決まる見込み。ブルームバーグ・ニュースが先月にエコノミスト34人を 対象に行った調査では、追加緩和について消費税率引き上げ後の来年4 -6月に行われるとの予想が6割に達した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日銀会合は今回も「無 風」と予想。前週の相場を通じ、10月の米雇用統計は単に量的緩和縮小 の前倒しでなく、リスクオン(選好)の流れを作ったとし、「日本国債で あっても世界的な流れから完全に分断されたわけではないことを投資家 は認識し、来月の雇用統計に向けて不安感を高め、戻り売りのタイミン グを早めよう」と言う。

20年債入札

19日に20年利付国債(11月発行)の価格競争入札が実施される。今 回は9、10月に発行された146回債と銘柄統合するリオープン発行とな り、表面利率(クーポン)は1.7%。発行予定額は1兆2000億円程度。 一方、22日には既発の10年、20年国債を追加発行する流動性供給入札 (発行額3000億円)が行われる。

今月は26日に40年債入札が予定されており、超長期債の全年限で入 札が実施されるため、同ゾーンの利回りに上昇圧力が掛かりやすい。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は12月物、10年国債利回りは331回債。

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤シニアファンドマネージャー

先物12月物144円55銭-145円00銭

10年債利回り=0.60%-0.65%

「超長期ゾーン中心に調整局面。米量的緩和の縮小開始が先送りの 見方が有力となる中、為替がドル高・円安で反応している間は、国内債 の上値が重くなるのはやむなしか。20年債入札を控えて超長期債は需給 面で買いづらいタイミング。ただ、積極的な売り手不在であるのも事 実。20年債利回りが1.5%を超える水準では押し目買いが見込まれる|

◎SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジスト

先物物12月物144円25銭-144円95銭

10年国債利回り=0.60%-0.70%

「調整含みか。海外金利は12月の米連邦公開市場委員会 (FOMC)に向けて動いている。国内株価が大きく動いてきており、 先週末は調整が入った。こうした動きがどこまで波及するかだろう。長 期金利は0.6%中心のレンジから水準がやや切り上がった。押し目買い が入っても0.6%を割り込み、再び0.5%に向けて低下していく感じでは ない」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物12月物144円30銭-145円10銭

新発10年債利回り=0.58%-0.67%

「米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン次期議長の公聴会発 言を受けて、量的緩和縮小の見通しが先延ばしになっている。リスク資 産が底堅い中、円債相場は横ばい圏か。日銀決定会合は政策変更なしを 見込んでいる。20年債入札は良い結果になるのではないかとみている。 前週の30年債入札は順調だった」

◎大和証券の山本徹チーフストラテジスト

先物12月物144円60銭-145円00銭

新発10年債利回り=0.60%-0.64%

「非伝統的な金融政策では株価の上昇が生命線となる。ただ、債券 から株式への資金シフトが期待ではなく、実際に起きないことには金利 上昇余地も限定的となろう。すなわち、4、5月のような急激な金利上 昇は起こらないだろう。日経平均株価の1万5500円に対して、10年債利 回りは0.65%と想定している」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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