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円が対ドルで2カ月ぶり安値、日米株高受けリスク選好の動き

東京外国為替市場では、円がドルに 対して約2カ月ぶりの安値を更新。イエレン次期米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が景気刺激策の維持を示唆したことを受けて内外で株高 が進み、リスクオン(選好)の動きが強まった。

ドル・円相場は午前に一時1ドル=100円31銭を付け、9月11日以 来の円安値を更新した。午後の取引終盤にかけては100円ちょうどまで 円が値を戻し、3時25分現在は100円05銭前後で推移している。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、ドル・円 について「海外市場で100円を抜けた後も100円台で推移しており、上昇 基調は維持している」と指摘。ただ、「週末なので特に材料もない中 で、利食い売りも出ている。昨日まで上昇したので、いったんポジショ ン(持ち高)整理の動きではないか」とも語った。

国内株式市場で、日経平均株価は大幅続伸。前日比289円51銭高の 1万5165円92銭で取引を終了した。終値での1万5000円台回復は5月22 日以来となる。

楽天証券の相馬勉債券事業部長は、「株価が1万5000円台に乗せ、 為替も100円台に乗せて、完全にリスクオンの動きとなっている。イエ レン次期FRB議長の公聴会を受けて、量的緩和の縮小がすぐにはない との見方が広がり、市場に安心感が出たことが背景にある」と説明。ま た、「ドル・円は三角もちあいを上抜けてきたので、すぐにではないも のの、年末に向けて105円程度まで行けるのではないか」と語った。

またCMCマーケッツ(シドニー)の市場担当チーフストラテジス ト、マイケル・マッカーシー氏は、「日本銀行など金融当局が、円安を 望んでいることは疑いようがない。FRBがいずれ量的緩和縮小に近づ けば、日銀が景気刺激のために行っている政策は、引き続き対ドルで円 の下落を促すだろう」と述べた。

米株が高値更新

前日の米国市場でドルは対円で節目の100円を突破し、100円15銭ま で買われた。米株式市場では、S&P500種株価指数やダウ工業株30種 平均が最高値を更新した。

イエレン氏は14日の上院銀行委員会で開かれた指名承認公聴会で、 米金融当局の景気対策について「支援をやめないことが重要だ。特に回 復が弱々しく、また短期金利がゼロという現状で景気が腰折れした場合 に金融政策として利用可能な手段が限られている状況では、支援をやめ るべきではない」と述べた。

三井住友銀行の山下えつ子チーフ・エコノミスト(ニューヨーク在 勤)は、「いわゆるリスクオンというような形で、量的緩和が少し長く 続くのではないかというような見通しの下で、株が買われていって、円 がやや円安気味になり、その中でドル・円が100円を超えたという形」 と指摘した。

一方、外為どっとコム総研のジェルベズ氏によると、「イエレン次 期FRB議長の公聴会発言は、事前に配布された原稿から乖離(かい り)することなく、サプライズなし。いつも通りハト派の内容で、イベ ントを通過した」という。

同時刻現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3451ドル前後。ユー ロ・円相場は1ユーロ=134円59銭前後で推移している。一時は134円94 銭と10月31日以来のユーロ高・円安水準を付けた。

CMCマーケッツのマッカーシー氏は、ユーロについて「意外なほ どに景気や株価が堅調なことが、ユーロ・円の支援材料となっている」 と述べた。

--取材協力:大塚美佳、Candice Zachariahs. Editors: 青木 勝, 崎浜 秀磨

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