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日経平均反発し5月来高値、流動性期待で広く買い-先物主導

東京株式相場は急反発し、日経平均 株価が5月以来、半年ぶりの高値を付けた。世界的な過剰流動性継続へ の期待に加え、国内の7-9月国内総生産(GDP)が市場の事前予想 を上回ったことなどが支援材料となった。午後に先物主導で上昇ピッチ が加速し、証券や不動産、電機など幅広い業種が高い。

日経平均株価の終値は前日比309円25銭(2.1%)高の1万4876円41 銭と、5月22日以来の高値。TOPIXは14.36ポイント(1.2%)高 の1218.55。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳運用本 部長は、日本株は為替を見ながら動いている、と指摘。「今週初にド ル・円相場が三角もちあいから上放れ、それに追随する形で日経平均も レンジ相場を上に抜けてきた」と言う。前週末8日に発表された米雇用 統計の改善を受け、米経済の強さが素直にドル買いにつながっているこ とが大きい、との認識を示した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン次期議長は、米経済と 労働市場の動向が「潜在力を大きく下回っている」とし、金融刺激策の 縮小前に改善が必要との見解を示した。14日の米上院銀行委員会での証 言テキストから事前に分かった。金融緩和の長期化期待で、13日の米 S&P500種株価指数は0.8%高の1782.00と過去最高値を更新した。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、イエレン氏 による金融緩和の現状維持示唆が伝わり、「テーパリング(量的緩和の 縮小)がなかなか始まらないとの見方が広がっている」とした上で、米 国では過剰流動性の中で景況感回復が続く可能性が高まり、「リスクオ ンの影響を日本株も受ける」と話した。

GDP、1万5000円接近

このほか、取引開始前に内閣府が発表した7-9月期の実質GDP 速報値は、前期比年率で1.9%増と4四半期連続でプラス成長となっ た。前四半期と比べれば、海外経済の減速、国内個人消費に一服感が出 て、成長率が鈍ったものの、伸び率は市場予想の1.7%増を上回った。 SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、GDPは予想より良く、「足元 の景気は非常に好調だったということ」と評価する。

為替市場では、朝方にドル・円相場が1ドル=99円20銭付近で推移 していたが、午前10時ごろから円はじり安となり、昼休み時間帯には99 円73銭まで円安に振れた。アジア株も香港、中国上海、台湾、韓国、イ ンドネシアなど総じて高い。

為替の円安進行と株価指数先物の上昇が同時進行したことを受け、 日経平均は午後早々に一時399円高の1万4966円と節目の1万5000円に 迫った。5月下旬の急落後の反発局面では、1万4800円台で跳ね返され る動きが続いていただけに、状況に変化が生じつつある。東洋証券投資 情報部の檜和田浩昭シニアストラテジストは、「株高が円安につなが り、その円安を見て株価がさらに買われる好循環」としていた。

麻生太郎財務相はこの日の参院財政金融委員会で、一方的円安や急 激な円高にはシグナル送り、止めるとの考えを示した。檜和田氏は、現 状水準での為替介入は考えづらいが、「今後円高が進行した局面で、介 入実施により円の上値が抑えられるとの見方につながる点ではプラス要 因だ」と受け止めていた。

東証1部33業種のうち32業種が上げ、値上がり率上位は証券・商品 先物取引、不動産、倉庫・運輸関連、海運、小売、空運、電気・ガス、 電機、陸運、金属製品。売買代金上位ではソフトバンク、野村ホールデ ィングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ファーストリテイリ ング、KDDI、東京電力、ソニー、ケネディクスが高い。下げた業種 は鉱業、個別では沢井製薬が下げた。

BNPパリバ・インベストメントの清川氏は、Fリテイリなどの上 げが目立った点について「午後に先物主導で相場は一段高となった過程 で、日経平均に対する指数ウエートが最も高いFリテイリなどに裁定取 引に絡む買いが膨らんだ」と見ている。日経平均をTOPIXで割り、 両指数の相対関係を示す「NT倍率」は12.2倍と、5月来の高水準とな った。

東証1部の売買高は30億1838万株、売買代金は2兆5217億円、上昇 銘柄数は1338、下落323。

--取材協力:竹生悠子. Editor: 院去信太郎

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