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フィリピンへの台風の打撃、サンディが米に与えた影響の数倍

超大型台風30号による被害がフィリ ピン経済に及ぼす影響の度合いは、昨年のハリケーン「サンディ」で米 国が受けた影響を数倍上回る可能性がある。

災害分析会社キネティック・アナリシスの研究開発ディレクター、 チャールズ・ワトソン氏の推計によれば、台風30号による損失額は120 億-150億ドル(約1兆1900億-1兆4900億円)で、フィリピンの経済 生産の約5%に相当する。サンディはニューヨーク、ニュージャージー 両州の一部に洪水などの被害をもたらしたが、その額は米国内総生産( GDP)の1%に満たなかったという。

ワトソン氏は11日の電子メールで「損失額120億ドル規模の台風 は、米国ではそれほどひどい打撃とならないが、フィリピン諸島にとっ ては壊滅的だ」と指摘。フィリピンでは今回の被害総額のうち保険が適 用されるのは10-15%程度にとどまる可能性があるとの見方を示した。 再保険で世界最大手のミュンヘン再保険によれば、サンディによる経済 的損失は約500億ドルだったが、その約50%は保険適用対象だった。

経済が災害後の復興需要で持ち直すことはよくある。しかしリスク 分析を手掛けるリスク・マネジメント・ソリューションズのチーフ調査 オフィサー、ロバート・ミュアウッド氏は、復興需要を刺激するほどの 保険加入がないため、フィリピンではそれが見られないかもしれないと 述べた。

英調査会社メープルクロフトによると、フィリピンは自然災害リス クが最も大きい国の一つ。アジア開発銀行(ADB)は、フィリピンの 台風や地震などによる被害額は年平均16億ドルに上り、東南アジア最大 と試算している。

アキノ大統領が指揮する経済再生の取り組みにより、同国では道路 や空港、洪水対策などへの歳出が増えた。経済成長率は4四半期連続で 7%を上回っており、今年に入ってからは格付け会社のムーディーズ・ インベスターズ・サービスとフィッチ・レーティングス、スタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)がそろって投資適格級に格上げした。

原題:Typhoon Seen Worse for Philippines Economy Than Sandy for U.S.(抜粋)

--取材協力:Cecilia Yap、Joel Guinto、Clarissa Batino、Karl Lester M. Yap. Editors: Dan Reichl, Steve Dickson

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