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債券は続落、株高や円安進行警戒-30年入札順調も相場押し上げならず

債券相場は続落。国内株高や外国為 替市場での円安進行が売り手掛かりとなった。一方、きょう実施され た30年債入札は最低落札価格が市場予想を上回るなど順調となったもの の、相場を押し上げる要因にはならなかった。

東京先物市場で中心限月の12月物は前日比5銭安の145円00銭で取 引を開始し、いったん2銭安の145円03銭まで戻した。その後は売りが 優勢となり、午後に入ると株高加速や円安を受けて水準を切り下げ、一 時は144円92銭まで下落。結局は10銭安の144円95銭で引けた。

SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、為替市場 で円安が進み、国内株価が上昇したことを受けて債券市場では売りが出 たと指摘した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の331回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.595%で始まり、しばらく同水準 で推移したが、午後3時前から0.60%に上昇している。

超長期債は軟調。11月はきょうが30年債、19日は20年債、26日に は40年債と超長期ゾーンの全年限で入札が実施されるため、売りが出や すい。20年物の146回債利回りは1.5bp高い1.475%に上昇。30年物の40 回債利回りは1.5bp高い1.62%まで上昇した後、午後零時45分の入札結 果発表後には1.61%に戻したが、再び1.62%に上昇。午後2時半前後か ら1.615%で推移している。

国内株式市場でTOPIXは前日比1.7%上昇の1205.41で引けた。 東京外為市場で円は1ドル=99円台半ばと約1カ月半ぶりの水準に下落 した。

米景気が想定より強い可能性

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、超長期ゾーンは比較的 に世界的なリスクオン・オフとの連動性が高いが、9月の米連邦公開市 場委員会(FOMC)以降は、国内投資家の残存期間復元の力が支配的 で、連動性が途切れてしまっていたと指摘。しかし、「米国景気が9月 ごろに想定していたよりも強い可能性が出てきており、感謝祭・クリス マス商戦を経てリスクオンの流れは続くと思われる」と指摘した。

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)1.8%の30年利付国 債(40回債)の入札結果によると、最低落札価格は103円65銭と市場予 想を5銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価 格の差)は5銭と前回の6銭から縮小した。投資家需要の強弱を示す応 札倍率は4.40倍と昨年10月以来の高水準となった。

SMBC日興証の山田氏は、30年債入札について「応札倍率は4.4 倍、テールは縮小し、順調な結果だった。30年債には買い戻しが入っ た」と話した。

米国市場では前週末発表の10月の米雇用統計の強い内容を受けて、 量的緩和縮小の早期開始観測が再び出ている。バークレイズ・キャピタ ル証券の高橋祥夫チーフ外債ストラテジストは、「市場としては来年3 月まで量的緩和縮小を先延ばしすることもにらみつつ、場合によって は12月に早まる可能性もにらみ、ちょうど金利水準においては中立なと ころに来ている」と分析。14日のイエレン次期連邦準備制度理事会 (FRB)議長の指名承認公聴会、10月のFOMC議事録、次回の雇用 統計などを焦点に挙げた。

--取材協力:Mariko Ishikawa. Editors: 山中英典, 青木 勝

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