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フィリピン、災害緊急事態を宣言-死者1万人超える公算

フィリピンのアキノ大統領は、超大 型台風30号により壊滅的被害を受けた地域への救援を迅速に進めるた め、災害緊急事態宣言を発令した。今回の台風による死者は1万人余り に上る可能性も示されている。

アキノ大統領は11日のテレビ演説で、高潮と暴風により甚大な被害 を受けた地域の再建のために187億ペソ(約430億円)の予算措置を講じ たと表明した。フィリピン南部には台風30号より規模は小さいものの新 たな熱帯低気圧が近づいており、被災した地域の一部を12日に通過する 恐れがある。

フィリピン政府は今回の災害で同国経済が打撃を受ける可能性を示 している。11日の金融市場では同国株式とペソが売られた。フィリピン 総合指数は前週末比1.4%安と、9月30日以来の大幅安で終了。ペソは 対ドルで0.9%下げ、9月中旬以来の安値を付けた。

当局によれば被災者は約970万人。これまでに22カ国・地域が救援 を申し出た。生存者が食料を求めて略奪に走るのを防ぐため、被災地に は軍が派遣された。

国連人道問題調整室(OCHA)のジョン・ギング氏はニューヨー クで記者団に対し、推定66万人が住む場所を失ったとの見方を示した。

経済損失は推計1.4兆円

ブルームバーグ・インダストリーズのシニアアナリスト、ジョナサ ン・アダムズ氏は災害調査会社キネティック・アナリシスの情報を基 に、台風30号に伴う経済的な損失額が計140億ドル(約1兆3900億円) に達する可能性があると算定した。

フィリピンの銀行最大手、BDOユニバンクのチーフマーケットス トラテジスト、ジョナサン・ラベラス氏は「大統領が表明した187億ペ ソという額は十分なものとはならないため、恐らく当初の拠出額でしか ない」と指摘。「依然として金利が低い上、国内市場の流動性がかなり 潤沢であることを考えると、政府は復興費用を賄うため債券発行を検討 する可能性がある」と述べた。

OCHAのギング氏は、死者数はこれまで予想されていた1万人を 超える恐れがあるとし、空港や道路の壊滅的破壊で救援物資の輸送が妨 げられていると指摘。「今回の被害規模からすると、ほぼ100年に一度 の大型台風だ」と述べた。

原題:Philippines Declares Typhoon Calamity as Next Storm Nears (1)(抜粋)

--取材協力:K. Oanh Ha、Diep Ngoc Pham、Simeon Bennett、Norman P. Aquino、Henry Sanderson、David Lerman、Sangwon Yoon. Editors: Rosalind Mathieson, Dick Schumacher

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