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【クレジット市場】ソニー、CDS市場は既にジャンクに格下げ

クレジット・デフォルト・スワップ (CDS)が示すソニーのデフォルト(債務不履行)リスクは、他の日 本企業を上回るペースで上昇した。平井一夫社長の経営改革が大胆さを 欠き、ジャンク級(投機的格付け)への引き下げを回避できない可能性 があると投資家はみているようだ。

CMAのデータによれば、ソニー債のCDSスプレッドは8日まで の1カ月に40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、191 bpに達した。パフォーマンスは日本の社債リスクの指標であるマーク イットiTraxx日本指数の構成銘柄の中で最悪。同指数はこの間に 1bp低下し94.5bpとなった。北米の指数は13bp低下した。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日に、ソニーの格付 けを投資適格級から引き下げる可能性があることを明らかにした。ムー ディーズ・コープの調査部門はその後、ソニーのCDSスプレッドが既 にジャンク級を示唆する水準だと指摘した。

ムーディーズはソニーの7-9月(第2四半期)が予想外の赤字と なったことを受け、エレクトロニクス部門の再興を目指した事業再編が 想定よりも時間を要するとの見方を示した。タブレット端末やスマート フォン(多機能携帯電話)へと消費者のニーズが移る中で、ソニーは不 採算部門を手放す事業再編が遅れている。

メリルリンチンチ日本証券の上田祐介リサーチアナリストは、「ソ ニーはエレクトロニクス事業が今年は黒字になると約束していたが、も うそれは無理のようだ」と述べ、CDSについて「期待が強すぎた部分 への反動が出ている」と指摘した。

CDSスプレッドはジャンク級

ムーディーズは投資適格の最低水準にあるソニーの格付け「Baa 3」を格下げ方向で見直すと発表。「収益性改善の遅れ」を指摘した。

ムーディーズの調査部門は、ソニーが信用商品投資家の評価では既 に投資適格級を失っているとして、CDSスプレッドはジャンク級の最 高の「Ba1」格付けを示唆する水準だと指摘した。CDSスプレッド が現格付けの「Baa3」に一致する水準だったのは、10月25日が最後 だという。

ブルームバーグのデータによれば、ソニー債の発行残高は2014年6 月に満期を迎える1100億円を含め5915億円。最新では6月に個人投資家 向け社債1500億円相当を起債した。ソニーの広報担当、今田真実氏は取 材に対し電子メールで回答し、「現在の事業に必要な資金は既に調達し たため目先の資金調達に関する懸念はない」とし、「当社事業の全体的 状況が明確に理解されるよう、格付け会社との積極的なコミュニケーシ ョンを続けていく」と説明した。

ネガティブ材料に敏感

ブルームバーグのデータによれば、ソニー債(表面利 率0.664%、17年償還)の国債に対する上乗せ利回りは今年に入り106b p縮小し、先週は37bp。

BNPパリバ証券の野川久芳ストラクチャードクレジットストラテ ジストは、海外のCDS投資家は「ネガティブの材料に反応しやすい」 と指摘。一方、社債については、満期まで持てば償還されると投資家が 考えていると述べた。

メリルの上田氏は、ソニーの収益のコアは金融やメディア、ゲーム といったソフトビジネスだと指摘。経営陣が「メーカーという意識から 頭を切り替える」必要があると指摘した。ソニーがテレビ事業の黒字化 を目指しているのに対し、パナソニックは赤字の大きな要因となってい たプラズマディスプレーの生産を終了する計画を明らかにしている。

アトランティス・インベストメント・リサーチのエドウィン・マー ナー氏も「ソニーは撤退しなければならない事業分野が多数あるが、そ の動きが遅過ぎる」とコメントした。

原題:Sony Junk Threat Spurs Biggest Default Risk Jump: Japan Credit(抜粋)

--取材協力:Mary Childs、安 真理子. Editors: Alan Goldstein, Pavel Alpeyev

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