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ドル・円は99円ちょうど前後、米雇用統計受けたドル買い一服

東京外国為替市場では、ドル・円相 場は1ドル=99円ちょうど前後で推移した。予想を上回る米国の雇用増 加を受け、米長期金利の上昇を背景にドルが急伸した前週末の流れは一 服。米量的緩和縮小の前倒しの可能性が意識される中、ドルは底堅さを 維持した。

ドル・円は早朝に2営業日ぶりのドル高値となる99円25銭を付けた 後、99円台前半でもみ合っていたが、国内輸出企業のドル売り意欲も指 摘される中、一時98円94銭まで軟化。その後は99円ちょうどを挟んで再 びもみ合う格好となった。この日発表された日本の9月の経常収支は8 カ月連続で黒字となり、黒字額は5873億円と予想を上回ったが、円相場 への影響は限られた。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジスト は、「テーパリング(米量的緩和縮小)の可能性は今回の米雇用統計で 当然前倒しになった」とし、「当社の予測では1月がメーンシナリオだ が、12月の可能性も高まった」と指摘。その上で、緩和縮小を織り込む 過程では米国株の上値が重くなりやすく、ドル・円が「このまま100 円、102円にすいすい上がっていくかというとまだ材料不足」と話し た。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.33ドル台半ばでもみ合い。池田氏 は、先週の欧州中央銀行(ECB)による予想外の利下げと予想外に強 かった米雇用統計により、「一番素直に売りやすいのはユーロ」と語っ た。ユーロ・円相場は1ユーロ=132円台半ばから一時132円21銭までユ ーロがじり安。

米雇用統計

米労働省が8日発表した10月の非農業部門就業者数は20万4000人 と、ブルームバーグ調査の予想中央値の12万人を上回った。また、前月 分は16万3000人増と、速報値の14万8000人増から上方修正された。失業 率は7.3%と、5年ぶり低水準だった9月の7.2%から上昇した。

一部政府機関閉鎖にもかかわらず、堅調な雇用の伸びが確認された ことで、市場の一部では米金融当局が早ければ12月17、18両日の会合で 緩和縮小に着手するとの観測が再び浮上。8日の米国債相場は反落 し、10年債利回りは一時約3週間ぶりの高水準に達した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、「金融政策運営の正常化とともに、ゆっくりとドルは上が っていく」と指摘した。一方、上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊 哉氏は、米量的緩和縮小時期についての見方はまだ割れているとし、 「ドル買い継続にはさらなる材料が必要で、今後の米経済指標の内容が 重要で、足元ではドル・円の100円手前の売り注文をこなせるかが焦 点」と語った。

こうした中、米国では14日にイエレン次期連邦準備制度理事会 (FRB)議長の指名承認公聴会が開かれる。

野村証の池田氏は、「共和党議員がQE(量的緩和)嫌いというこ ともあり、テーパリングに関してあまり否定的なことは言わないが、逆 に利上げは急がないというメッセージが出てくると思う」と言い、「そ うすると、ドル・円にとって一番重要な2年ゾーンなどの日米金利差は すぐには開かない」と指摘。加えて、ヘッジファンドの決算期を前にし て米国株は調整圧力が強まりやすいとし、「ドル・円は意外と上値が重 い」展開になると予想した。

--取材協力:. Editors: 青木 勝, 山中英典

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