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債券は下落、雇用統計受けた米債安-あす30年入札

債券相場は下落。前週末の米国債相 場が好調な雇用統計を受けて大幅安となったことや、あすに30年債入札 を控えて売りが先行した。長期金利は一時、2営業日ぶりに0.6%台に 上昇した。

東京先物市場で中心限月の12月物は前週末比13銭安の144円96銭で 取引を開始し、午前10時過ぎに16銭安の144円93銭まで下落。その後は 下げ幅を縮め、午後2時30分前には1銭安の145円08銭まで戻した。結 局は4銭安の145円05銭で引けた。

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、投資 家から「活発な買いも見られないが、売りが出ないので動かない」と指 摘。日銀の国債買い入れオペも支援材料となったと説明した。ただ、米 金利の上昇を踏まえると「バランス的には日本国債はやや割高化してお り、高値安定が続くとは言い切れない」とも指摘した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の331回債利回 りは同1.5ベーシスポイント(bp)高い0.60%と7日以来の0.6%台で始ま り、午前は同水準で推移。午後に入ると水準を切下げ、1時過ぎから は0.59%で取引された。

20年物の146回債利回りは2bp高の1.475%で開始したが、2時30分 ごろには横ばいの1.455%まで戻した。3時前後からは0.5bp高 い1.46%。30年物の40回債利回りは1.5bp高い1.62%で始まったもの の、午後1時30分過ぎには0.5bp低い1.60%と10月24日以来の水準に低 下。午後3時ごろからは横ばいの1.605%で推移した。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、10月の 米雇用統計が予想以上に強い内容となって、米長期金利は上昇し、国内 債市場では売りが先行したと指摘。「あすは30年債入札で積極的には買 えない」としながらも、押し目があればやむなく購入するだろうとの見 方を示していた。

12日午前に30年利付国債(11月発行)の入札が実施される。9、10 月に発行された40回債と銘柄統合するリオープン発行となり、表面利率 (クーポン)は1.8%。発行額は5000億円程度。

日本銀行がきょう実施した長期国債買い入れオペ(総額1兆円)の 結果によると、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率は前回から上昇 した。一方、「3年超5年以下」と「5年超10年以下」はともに低下し た。落札金利は「5年超10年以下」が実勢を下回り強めとの見方が出て おり、相場の下支えとなった。

8日の米債相場は大幅安。米10年債利回りは前日比15bp上昇 の2.75%程度。10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比20 万4000人増と予想を上回り、米金融当局が早ければ12月の米連邦公開市 場委員会(FOMC)で緩和縮小に着手するとの観測がやや強まった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、米雇用統計が予想を大 幅に上回り、過去数カ月の雇用情勢が大きく描き直され、12月の FOMCでの量的緩和縮小開始も視野に入ってきていると指摘。この統 計は相場の流れを変える可能性が高いとし、「そのインパクトを覆すよ うな指標・イベントは当面考えづらく、株高の資産効果で感謝祭やクリ スマス商戦の好調が見込まれることから、債券市場の警戒心は高まりや すい」と言う。

東京株式市場でTOPIXは前週末比0.8%上昇の1185.65で引け た。円相場は対ドルで1ドル=99円前後、ユーロに対しては1ユーロ =132円台前半で取引された。

--取材協力:赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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