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邦銀メガの業績好調、みずほ通期で増益転換も-株高や景気回復

大手銀行グループの業績が好調だ。 アベノミクス下での株価上昇や景気回復により、当初見込みを上回る速 さで利益を積み増している。専門家は三井住友フィナンシャルグループ とみずほフィナンシャルグループが2014年3月通期の連結純利益予想を 上方修正、みずほは前期比で増益に転じる公算もあるとみている。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、BNPパリバ証券やバ ークレイズ証券、大和証券のアナリストらが2グループの通期業績の上 方修正を見込んでいる。13年4-9月の半年間ですでに当初年間予想 の75%以上を確保したとみているためだ。

BNPパリバの鮫島豊喜シニアアナリストは、「銀行は保守的な業 績予想をする傾向があるが、さすがにここまで進捗(しんちょく)率が 高いと上方修正をせざるを得ないだろう」と述べた。

アベノミクスを背景に今期の大手行の経営環境は好転。株価上昇に 伴い株式関係損益の改善や、投資信託の販売好調に伴う手数料収益の増 加、傘下の証券会社の収益拡大に貢献。また、景気回復による取引先の 業況改善で与信費用が減少。海外融資も拡大している。ただ、5月の四 半期の決算発時、各グループは通期では減益を予想していた。

BNPの鮫島氏は三菱UFJフィナンシャル・グループなど3グル ープの14年3月通期の純利益予想・目標について、三井住友が7707億円 (前期7941億円)、みずほが6455億円(5605億円)三菱UFJが8362億 円(8526億億円)と予想。みずほは増益に転じるとみている。

三井住友の進捗率83%に

三井住友は12日午後、みずほと三菱UFJが14日午後に13年9月中 間決算を発表する予定だ。三井住友は10月4日に中間純利益予想を従来 の2900億円から4800億円に上方修正している。3メガ銀グループの広報 担当者は第2四半期決算の見通しや業績修正の可能性についてコメント 控えている。

ブルームバーグ・ニュースの集計によると、中間純利益予想はアナ リスト7人の平均で三井住友が4810億円、みずほが3790億円。三菱 UFJは6人の平均で4655億円となっている。現時点での会社側の通期 予想・目標は三井住友が5800億円、みずほが5000億円、三菱UFJ が7600億円で対比ではそれぞれ83%、76%、61%となる。

3グループの株価は年初来、前週末までに三菱UFJが約32%、三 井住友が約50%、みずほが約29%上昇。11日午後1時36分現在では三菱 UFJが前週末比6円(1%)高の614円、三井住友が70円(1.5%)高 の4745円、みずほが1円(0.5%)高の206円となっている。

UBS証券の伊奈伸一アナリストは4-9月期について「株安で減 損がひどかった昨年と比べると、今年は株価回復で非常に良くなってみ えるだろう」と述べた。ただ「利ざや縮小が続いていおり、下期に向け てトップラインをいかに伸ばせるかが課題」と指摘し、下期以降も貸し 出しなど本業で厳しい収益環境が続くと見通している。

第三の矢の実行カギ

日銀統計によれば都市銀行の総貸出平残は12年12月に3年2カ月ぶ りに増加に転じ、全国銀行の9月の総貸出平残は406兆5600億円で前年 同月比2.3%増加。海外貸し出しも拡大が続いており、10月の日銀金融 システムレポートによると大手10行の海外貸出金残高は8月末で4796億 ドル(約47兆円)と1年で4.3%増加した。

ムーディーズ・ジャパンの山本哲也シニア・アナリストは下期以降 について、アベノミクスの第三の矢である規制緩和など成長戦略が実行 されるかがカギで、「国会で制度化や法制化が進み、仕組みが実際にワ ークしていくかがポイントになる」と指摘した。その上で実際に資金需 要が増えてくるのは、来期に入ってからとの見通しを示した。

UBSの伊奈氏は、海外金融市場の不安定化や円安を背景に大手邦 銀は伸ばしてきた海外融資について、「一時撤退していた海外金融機関 が競合相手として戻ってきている」と分析。また「現地企業は債券ベー スでの資金調達を増やしている」とし、海外融資をめぐる環境は次第に 厳しさを増しているとみている。

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