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【今週の債券】長期金利0.6%に上昇か、米金利高や戻り売りとの見方

今週の債券市場で長期金利は0.60% 付近に上昇する展開が予想されている。米国の10年国債利回りが雇用統 計の強い内容を背景に大幅上昇したことや相場の高値警戒感から戻り売 りが出やすいとの見方がある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが8日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.55%-0.63%となった。前週末の終値は0.585%だった。

前週の長期金利は序盤は0.60%付近でもみ合いとなっていたが、終 盤に水準を切り下げ、8日には一時0.58%と5月7日以来の低水準を付 けた。日銀の長期国債買い入れオペで需給が引き締まる中、欧州中央銀 行(ECB)の政策金利引き下げを受けて欧米市場で債券買いが優勢と なった流れを引き継いだ。

一方、前週末の米国債市場では10月の米雇用統計で非農業部門の雇 用者数が事前予想を大幅に上回ったことを受けて、米10年国債利回り が2.75%程度に急上昇しており、週初めの国内債市場で売り材料となる 見込みだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、2013年度下期入 りに伴う投資家の残高積み増しが継続中で、現物債市場の需給の良好さ に揺るぎはないとしながらも、「長期金利の0.5%台では断続的に戻り 売りが出ている。しばらく0.60%を中心にバランスする」と予想する。

30年債入札

12日に30年利付国債(11月発行)の価格競争入札が実施される。今 回は9、10月に発行された40回債と銘柄統合するリオープン発行とな り、表面利率(クーポン)は1.8%。発行予定額は5000億円程度。

一方、14日には5年利付国債の入札が予定されている。発行予定額 は2兆7000億円程度。前週末の入札前取引で5年物は0.195%程度で推 移しており、クーポンは前回債と同じ0.2%となる見通し。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は12月物、10年国債利回りは331回債。

◎クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長

先物12月物144円80銭-145円30銭

10年債利回り=0.57%-0.62%

「日銀がたんたんと国債買い入れオペを続ける中、10年ゾーンの需 給が締まりやすい状況は変わりない。超長期債は利回り水準の低下で生 命保険の買いが鈍っているが、日銀オペの効果で需給は安定してお り、30年債入札は順調になるだろう。5年債入札については、利回り水 準が下がり切った感じもあるが、オペに売却することができるので入札 は問題なく消化するだろう」

◎大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長

先物物12月物144円80銭-145円30銭

10年国債利回り=0.57%-0.62%

「長期金利は0.6%を中心としたもみ合いが続く。現在は日米景気 を見極めるタイミングにあり、日本経済が消費増税後に大きく減速する とのシナリオ、あるいは米国のクリスマス商戦不発などの材料がほし い。こうした中で金利水準が高い超長期債に妙味がある。これまで手控 えていた生命保険が買いで対応している。銀行の需要も見込めるだけに 利回り曲線が平たん化する余地がありそう」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物12月物144円80銭-145円50銭

新発10年債利回り=0.55%-0.63%

「長期金利は横ばいからじり高の展開か。米金利が多少上がっても 円債市場への影響は限定的ではないか。金融政策見通しに変わりはな く、日銀の大量国債購入が続く。来年1-3月に向けて消費増税前の駆 け込み需要とその後の見通しの方が重要。30年債、5年債の入札はいず れも無難に消化される見込み。現在の10年債利回りが続けば、30年債は 割安に見える。5年債入札も日銀オペ対応で買いが入るのではないか」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 山中英典, 崎 浜秀磨

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