コンテンツにスキップする

【日本株週間展望】指数こう着、決算受け選別-中国がリスク

11月2週(11-15日)の日本株は、 こう着感の強い展開に終始しそう。為替や米国景気などマクロ統計面か らの支援材料に欠け、決算を受けた個別銘柄選別の動きが中心となる。 中国では、共産党の第18期中央委員会第三回総会(三中全会)が12日ま で開かれ、同国市場を通じて日本株が影響を受ける可能性もある。

パインブリッジ・インベストメンツの前野達志執行役員は、相場を 方向付ける手掛かり材料待ちで、「もうしばらくは方向感のない動きが 続くだろう」と予想する。国内の企業決算の内容は、「全体として想定 ラインで力強さに欠け、マクロ材料の乏しさが上値を抑える形になって いる」と言う。

第1週のTOPIXは、前の週末に比べ0.6%安の1176.42と反落。 欧州中央銀行(ECB)の予想外の政策金利引き下げでユーロ・円相場 が円高方向に振れ、これを嫌気した8日の下げで週間のパフォーマンス がマイナスになった。決算を受けた選別投資の色合いも濃く、好調な大 手自動車の中で唯一、上期が営業減益だった日産自動車など業況がさえ なかった銘柄の下落も相場全般の上値を抑えた。

第2週は、金融セクターを中心に主要企業の決算発表が続く。12日 は三井住友フィナンシャルグループや鹿島、いすゞ自動車、13日に電通 やグリー、14日は三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナ ンシャルグループ、第一生命保険が開示予定だ。

ブルームバーグ・データによると、10月15日以降に決算を発表した 東証1部上場企業の中で、上期の1株利益が市場予想を上回った企業 は63%。実績と市場予想との乖離(かいり)率の上位にはセイコーエプ ソンやパナソニック、東京製鉄などが並ぶ。業績は総じて堅調だが、通 期計画を上方修正したトヨタ自動車が決算発表の翌日に売られるなど、 事前の期待が高かっただけに、市場全体では好感する動きに乏しい。

SMBC日興証券の坂上亮太チーフ株式ストラテジストは、「内外 とも大きなイベントがなく、世界景気の面でも方向感が定まりにくい 中、当面はこう着感の強い展開が見込まれる」と予想。内外景気、政策 材料面で決め手を欠き、「個別物色が重要な局面」と見ている。

パインブリッジの前野氏は、中長期的な日本株上昇の見方は不変と して、「相場が大きく崩れるような展開もない」との認識だ。みずほ証 券の菊池正俊チーフ株式ストラテジストは、「春以降に新たな上昇相場 に入ると予想することから、足元の下落局面は押し目買いを薦める」と している。

緊張中国、政策対応を注視

中国では9-12日の日程で三中全会が開かれ、今後10年間を方向付 ける中期的な経済政策が議論される見通し。総会を前にした同国で、山 西省での連続爆発や北京・天安門前での車突入など、共産党政権を標的 にした事件や騒乱が相次いでおり、社会の緊張感が高まっている。

同国の実質国内総生産(GDP)成長率は下げ止まりの兆しが見ら れるものの、これまでの力強さは失っている。一方、9月の消費者物価 指数(CPI)は前年比で3.1%上昇し、9月の新築住宅価格は主要4 都市で上昇率が2011年1月以来最大となるなど,インフレ懸念が台頭。 政府には経済の難しいかじ取りが要求されている。

野村証券投資情報部の侯蘇寒ストラテジストによると、今総会では 国有企業に対する優遇措置の見直しや足元で膨らむ地方政府の債務削減 策のほか、富裕層への課税強化、金融市場の自由化などに関する政策が 打ち出される可能性が高いという。

マーケットへの影響について、侯氏は「預金金利の自由化など、中 国株式市場で構成ウエートの高い銀行セクターにマイナスの政策が発表 される可能性があり、短期的にはネガティブになる」と予想。日本株市 場への直接的な影響は限定的と見るものの、政策発表を受けて中国市場 が下落した場合、日本株も連れ安となるリスクは警戒される。

国内GDP、イエレン氏公聴会

国内では、14日に7-9月期の実質GDPの速報値が発表される。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は前期比年 率1.6%プラスと、4-6月期の同3.8%プラスからの鈍化が見込まれて いる。そのほかの経済指標では、11日には景気ウオッチャー(街角景 気)調査と国際収支、13日には機械受注の発表がある。

海外では、13日に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長の講演、14日はイエレン次期議長の上院銀行委員会での指名承認公聴 会、ユーロ圏の財務相会合と7-9月期GDPなどが予定されている。 企業決算は、米国で14日のウォルマート・ストアーズやアプライド・マ テリアルズが注目されるところだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE