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ドルは98円前半、米雇用統計控えこう着-仏格下げでユーロ売り

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=98円台前半で推移。海外時間に10月の米雇用統計の発表を 控えて、こう着感の強い相場展開となった。

午後3時25分現在のドル・円相場は98円10銭前後。前日の海外市場 では対ユーロでのドル買いや7-9月の米国内総生産(GDP)が予想 以上の伸びとなったことを受け、一時9月20日以来の水準となる99円41 銭までドル高・円安が進んだ。その後は、米国株の反落や米長期金利の 低下を背景に97円台後半までドルが売られるという激しい動きとなった が、この日の東京市場では98円04銭から98円26銭までの値動きにとどま った。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、米雇用統計について 「個人的には、良かった場合にマーケットが素直に受け止めるかどうか に注目している」と指摘。「雇用改善期待を背景とした米緩和縮小観測 で、米金利反発、ドル買いが素直な反応となるが、今回の統計は政府機 関閉鎖の影響で信頼性が問われており、ファーストアクションのドル買 いが続かず、ドル売り基調が強まるか見たい」と話した。

欧州中央銀行(ECB)による予想外の利下げを受け、前日の海外 時間に急落したユーロ相場は、この日の東京市場では対ドルで1ユーロ =1.34ドル台前半、対円では1ユーロ=131円台半ばから後半でもみ合 う展開が続いた。しかし、取引終盤に米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)がフランスの格付けを「AA+」から「AA」 に引き下げたことが伝わると、ユーロ・ドルは1.3389ドル、ユーロ・円 も131円31銭まで一時水準を切り下げた。

石川氏は、ひとまずきのうの「ECBショック」は和らいでいるも のの、今後もユーロ圏でディスインフレ傾向や失業率の悪化が止まらな ければ、「FRB(米連邦準備制度理事会)や日銀に追随してECBも 量的緩和に踏み込む」との観測が強まってもおかしくないと指摘。そう なれば、ユーロ安がさらに進む可能性があると語った。

米雇用統計

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査による と、10月の米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比12万人増加し たと予想されている。9月は14万8000人増だった。10月の失業率 は7.3%と9月に記録した2008年11月以来の低水準7.2%から上昇する見 込み。

上田ハーロー外貨保証金事業部の黒川健氏は、政府閉鎖の影響で10 月分が悪化しても11月分は回復するとの見方があることや、「ECBの 予想外の利下げによる受け皿としてのドル買い」により、「結果がネガ ティブサプライズでない限り、ドルのダウンサイドリスクは限定的との 見方もある」と指摘。半面、雇用悪化で米量的緩和の縮小開始時期が後 退することへの警戒感も高く、「注目度は高い」と話した。

ECBは7日、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し 条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を0.25ポイント引き下 げ0.25%とすることを決めた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト調査で利下げを予想したのは70人中3人のみだった。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、ユーロ圏は「長期にわたる 低インフレに直面する可能性がある」とし、ECBが利用可能なあらゆ る手段を考慮する用意があると述べた。

前日の海外市場では予想外の利下げを受け、ユーロが対ドルで一 時1.3296ドルと9月16日以来の安値まで急落。対円でも約1カ月ぶりの 安値となる131円22銭を付けた。

豪コモンウェルス銀行のチーフ通貨ストラテジスト、リチャード・ グレース氏(シドニー在勤)は、「FRBは他の主要な中央銀行よりも 緩和サイクルの終わりにずっと近づいており、ECBの予想外の利下げ はそうした予想を裏付けた」と指摘。「われわれはドル堅調との見通し を持ち続けるつもりだ」と話している。

--取材協力:大塚美佳、Candice Zachariahs. Editors: 青木 勝, 崎浜 秀磨

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