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ソフトバンク:ゲームや動画、音楽分野の買収に関心-差別化で

米携帯電話会社スプリントを買収し たソフトバンクは、ゲームや動画、音楽のコンテンツ分野での買収に関 心を寄せている。常務執行役員財務部長の後藤芳光氏が6日、ブルーム バーグ・ニュースのインタビューで語った。

後藤氏はゲームや動画、音楽といったコンテンツが、NTTドコモ やKDDIなどと差別化し、ユーザーを獲得する重要な要素だと説明。 こういった分野を強化するために「買収もあり得る」と述べた。

差別化を急ぐ背景には、ソフトバンク躍進の立役者だった米アップ ルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォー ン)」を、KDDIに次いでドコモも取り扱いを始めたことがある。先 月、1000億円超の買収額となるゲーム会社の買収を発表。フランスのメ ディア企業ビベンディに対し、傘下のユニバーサル・ミュージック・グ ループ(UMG)を85億ドル(約8380億円)で買収する提案をしたこと も、複数の関係者が明らかにしている。

岩井コスモ証券の川崎朝映アナリストは「強力なコンテンツは契約 者増加に役立つ」と指摘。月額使用料だけでは価格競争になるため、 「単価を上げるためにコンテンツで差別化し、収益を上げる戦略」と述 べた。

アリババ株「長期保有」

保有する中国の電子商取引運営最大手アリババ・グループ・ホール ディングの株式については、長期保有する考えだ。後藤氏は「われわれ にとって最重要のグループ会社の一つ」と強調した。

ソフトバンクはアリババ株の約37%を持つ筆頭株主。複数の関係者 によると、アリババは来年、米国市場での新規株式公開(IPO)を計 画している。米投資銀行サンフォード・C・バーンスティーンのアナリ ストによると、アリババの市場価値は最大で1900億ドル。ソフトバンク の保有分は700億ドルの価値を持つことになるが、当面は現金化しない ことになる。

上場の詳細について後藤氏は「アリババが価値を持続していくこと が大事」として、時期や場所については特に希望はない、と述べた。ソ フトバンクはアリババへの最初の出資時期や額について開示していな い。

強いネットワーク

後藤氏は、今期上半期で223億円の営業赤字を計上したスプリント について、来年までは「強い競争力のあるネットワークを準備するため の期間」と述べた。スプリントは2013年と14年に、それぞれ80億ドルの 設備投資を計画している。

ソフトバンクは7月、スプリントの株式の78%を216億ドル(会社 発表で1兆8000億円)で取得完了。また9月までに約500億円を投じ て80%まで買い増した。

10月に完了したフィンランドのモバイルゲーム会社スーパーセルの 買収については、「ゲームのブランディングに非常に大きな貢献をして いる」と述べた。ソフトバンクはスーパーセルについて、子会社のガン ホー・オンライン・エンターテイメントとともに「コンテンツ分野のけ ん引役」と位置付けており、孫正義社長によると、両社のコンテンツを 生かしたソフトバンクやスプリントの契約者増加策も中長期で検討す る。

また携帯端末の卸売事業者、米ブライトスターの買収により、端末 メーカーとの価格交渉が「優位になる」とみている。孫社長によるとソ フトバンクとスプリント、ブライトスターの3社で年間1億数千万台の 端末を調達する。ソフトバンクは12億6000万ドルを投じ、最終的にブラ イトスターの株式70%を取得する。

格付け早期回復目指す

スプリントの買収により、米格付け会社ムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスやスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はソフト バンクの発行体格付けを投機的水準(ジャンク級)に引き下げている。 後藤氏は、一時的な格付けの悪化については、投資戦略を「説明できれ ば構わない」としたものの、早期の回復を目指す意向を示した。

投資適格のA-を付与している日本格付研究所は先月、スーパーセ ルとブライトスターの買収に対して格付けへの「影響は限定的」として A-を維持。その上で「今後の投資動向について注目していく」と述べ ている。

ソフトバンクが10月31日に発表した7-9月期連結純利益は、前年 同期比ほぼ2倍の1567億円となり市場予想も上回った。アイフォーンを 中心に国内携帯電話契約が伸びたほか、海外でも成長を見込む。今期 (2014年3月期)は一時益を含めて営業利益1兆円以上、売上高6兆円 以上を予想。一時益がなくなる来期についても営業利益1兆円、売上高 は7兆円を目指す。

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