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内需系グロース探す日本株、中小型に妙味と大和住銀の苦瓜氏

大和住銀投信投資顧問で中小型株を 運用する苦瓜達郎シニア・ファンドマネジャーは、現在の日本株は内需 系の成長セクターを探す方向になってきており、「新興市場など中小型 株に目が向きやすい」と見ている。

苦瓜氏がこのほど、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで 述べた。「基本的にことしは今のところグロース相場。投資家はグロー スを求めにいっている」と分析。安倍政権の誕生と政策を期待、評価し たアベノミクス相場初動の昨年11-12月は、輸出関連株の上昇の勢いが 強かったが、「円安はここ半年ほど止まり、海外の景気もあまり思わし くない」とし、現状は内需系優位と受け止める。

国内新興市場、中小型株の代表的指標である東証マザーズ指数の年 初来上昇率は6日時点で109%。ジャスダック指数は68%、東証2部指 数は37%。マザーズ、ジャスダックは東証1部全体の動きを示す TOPIXの39%を上回る。過去5年間の上昇率はマザーズ161%、ジ ャスダック100%、2部68%と、TOPIXの31%に対するアウトパフ ォームが鮮明だ。

苦瓜氏は、最近の中小型株指数の上昇は時価総額の大きい一部銘柄 が押し上げたり、「内容を伴わない銘柄が理由もはっきりせずに買われ たりしている」面も見られ、「中身があまり良くない」と指摘。ただ、 「安い銘柄はまだ沢山ある」とも強調した。

中小型は、バリュエーション面で割安に放置されている銘柄が相対 的に多いと見る苦瓜氏だが、建設や不動産株、インターネットゲーム関 連株には魅力を感じていない。建設に関しては、消費税が上がった後の 世論が「今のような公共事業のばらまきを許すと思えない」とし、「目 先の業績が良い分にはプレミアムを付けない」と言う。不動産は、「5 年前に不動産のプチバブルをつぶしたのは何だったのか、まともな総括 が世の中にはないこと」を気に掛ける。ネットゲーム関連は、「市場の パイの広がり方にあまり安定感がない」と見る。

「基準株価」との乖離で売買判断

同氏が運用する「大和住銀日本小型株ファンド」は、5日時点の基 準価格が1万2122円。2004年6月の設定以来の騰落率(分配金を再投資 した場合のトータルリターン)は先週末1日時点でプラス47%と、同期 間のトータルリターンでプラス20%のTOPIXを上回っている。

苦瓜氏が運用に際し重視するのは株価収益率(PER)の割安性 で、成長性と健全性を加味する。銘柄選択でスクリーニングはせず、 「起点は取材」。さらに、取材後に決算やニュース発表など動きがあっ た場合、投資対象とするかどうかを決める。売買の可能性がある銘柄に は、仮置き価格である「基準株価」を作成。予想可能範囲の1株純利 益、プレミアムディスカウントなどを加味したものを詰め込み、日々変 動する基準株価との乖離(かいり)率で機械的に売り買いを判断する。

例えば、足元の株価が基準株価のマイナス50%で買い、マイナ ス30%まで戻せば売るといった具合に「売りと買いの基準の格差は常 に20%ポイント程度で、それがパラレルに上下するイメージ」と苦瓜氏 は言う。乖離率の基準は全銘柄で同じ水準にしており、「一番システマ ティックだと思い決めた」この手法をファンド立ち上げ時から貫く。

「日本小型株ファンド」の純資産総額は5日時点で61億円。9月末 時点の組み入れ銘柄数は83、上位はアスカネット、ワッツ、ステップ、 トランコム、アルインコ、アイ・ケイ・ケイ、ウチヤマホールディング ス、日特エンジニアリングなど。市場別構成はジャスダック37.9%、東 証2部32.7%、マザーズ10.2%。東証1部銘柄は買えない決まりだが、 市場変更に伴う保有は可能で、1部銘柄は19.2%を占めている。

苦瓜氏は1991年に大和総研へ入社後、窯業や中小型のアナリストを 経験し、02年に大和住銀へ移籍した。アナリスト活動を経て、03年から 国内小型株の運用を開始。公募投信2本、私募投信2本、年金基金向け 特金1本の計5本、120億円程度を中小型株で運用している。

7日の日本株は、トヨタ自動車の下げなどが響き、TOPIXが前 日比0.6%安の1184.73と反落。一方、マザーズ指数は0.6%高 の851.74、ジャスダック指数は0.9%高の93.54とともに反発。東証2部 指数の下落率は0.1%と、TOPIXに比べ小さかった。

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