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三菱自:優先株を全量処理へ、公募増資2100億円規模で-新中計

三菱自動車は6日に発表した新中期 経営計画と資本再構築プランで、優先株の全量処理と普通株主への復配 を実現する方針を明らかにした。公募増資を実施し、その発行手取り金 を原資に優先株を発行価額よりも低い価格で取得することで、優先株の 全量処理を目指す。

発表資料によると、6日時点で残存する優先株3808億円に対し、取 得価額の総額は2848億円となり、発行価額からのディスカウント率が 約25%となる見込み。優先株処理のため、2100億円をめどに代替資本を 調達する。関東財務局に提出した資料によると、株式2100億円の発行を 登録し、発行の具体的な時期、条件、総額などは未定で、諸般の状況を 勘案の上で決定するとした。

また、三菱自は三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行のグル ープ3社などとの間で資本政策に関する覚書を締結。株主3社は議決権 総数の34%以上、35%未満を直接、または間接に保有する。また、三菱 重工は引き続き持ち分法適用関連会社となり、子会社分を含めて議決権 総数の20%以上を保有する予定。

三菱自では、代替資本調達の規模が市場環境などにより変動する可 能性もあるとし、その場合の対応も明らかにした。資本調達が優先株の 全量処理の必要額を上回った場合は、成長に向けた設備投資などに充当 する。一方、下回って優先株の一部が残った場合は、新中計期間の早期 に全量処理を目指すほか、優先配当率を5%から2%に引き下げ、17年 6月末までの間は普通株への転換を請求しないことを株主との間で確認 した。

益子修社長は発表会見で、復配により、「再生企業から普通の企業 になる」と述べた。三菱自は今年度までの中期計画期間中の復配を目指 すとしていた。市川秀副社長はディスカウント率25%で10%以上の希薄 化抑制効果があると指摘した。三菱自は12月26日に臨時株主総会を開 き、新株発行のための授権枠拡大などの議案を諮る。

三菱重工の宮永俊一社長は10月31日の決算会見で、優先株処理後も 三菱自が財務機能を強くして競争に勝てる体質になるのを見届ける期間 が必要という見方を示した上で、現段階では「支援を続けて、特段大き な仕組みを変えない」と述べた。

リコール問題などで2003年度から3年連続の大幅赤字に陥った三菱 自は04-06年に総額6000億円規模の各種優先株を発行、グループ企業が 中心に引き受けた。97年度の中間配当を最後に無配を続けていた三菱自 にとって、普通株よりも優先的に配当を受けられる優先株の処理が復配 への課題となっていた。今年5月には資本金などを取り崩して9000億円 超の累積損失を解消するなどの財務立て直し計画を決めた。

新中計では、16年度に売上高2兆6000億円、営業利益1350億円を、 目指している。13年度見通しでは、それぞれ2兆1300億円、1000億円。 小売り販売は、13年度計画の111万1000台に対し、新興市場を中心に伸 ばして16年度に143万台を狙う。このうち、タイ、インドネシアに続く 中核市場としてフィリピン事業を強化し、東南アジア諸国連合 (ASEAN)地域の販売は同27万台に対し、39万台を計画している。

また、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車の技術開発 を進め、20年に電動車両生産比率を20%に高める。一方、10年度に23車 種あったのに対し、16年度には13車種へ削減し、固定費削減を図る。

三菱自は軽自動車事業で提携する日産自動車に、仏ルノーも加えた 3社で事業協力を拡大することを明らかにしている。益子社長はさら に、仏プジョー・シトロエングループ(PSA)との間でも新たな協力 を検討していることを明らかにした。PSAの小型ディーゼルエンジン を三菱自のコンパクトSUVへの搭載を検討しているという。一方、今 後の事業協力では資本提携を考えていないとした。

--取材協力:Yuko Takeo. Editors: 浅井秀樹, 中川寛之

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