コンテンツにスキップする

骨肉の争い乗り越え、兄弟のPE投資でハイアット王国再建か

ハイアット・ホテルズ創業者一族、 プリツカー家の兄弟、アントニー(トニー)とジェイ・ロバート (JB)両氏のオフィスはシカゴの高層ビルにある。10年前に始まった お家騒動でプリツカー王国は解体され、11人のいとこたちはそれぞれ13 億5000万ドル(約1330億円)以上を受け取った。兄弟は今、諍いを水に 流し、、父と伯父たちに倣って多様な企業を買い集め、新たな王国を築 こうとしている。ブルームバーグ・マーケッツ誌12月号が報じている。

「2011年までの10年間、プリツカー家は大量の資産を売却した」と JB(48)は振り返った。1996年からプライベートエクイティ(PE、 未公開株)投資会社を経営している同氏は、「現金を受け取ったので、 今はその現金をまた投資しているところだ」と語った。

一族の内紛と資産売却が始まった後の02年、兄のトニー(52)は JBの会社に加わった。「10年間を一族とともに資産分割の作業に費や すことも、自分たち自身の事業を築くのに費やすこともできる」と当時 考えたという。

一族資産の分割は2年前に完了した。JBとトニーの会社、プリツ カー・グループは拡大を続けている。昨年はロバートW・ベアード(ミ ルウォーキー)で28億ドル規模のPE投資ファンドを運用していたポー ル・カーボーン氏をマネジングパートナーに採用した。

プリツカー・グループは1億-5億ドル程度の価値の医療関連企業 や製造業、サービス業の企業を対象に、4-5年をかけて最低でも12 億5000万ドルを投資したい考えだ。JBは創業以来の17年で10億ドル余 りを非公開企業に投資、また3億5000万ドルを48のベンチャーキャピタ ルに投資している。

一族経営企業に長期投資

トニーによれば、従業員55人のプリツカー・グループの07-12年の 内部投資リターンは28.7%。一族経営の企業や新興企業に長期的に投資 している。04年以降に買収した8社のうち、売却したのは1社だけだ。

ロサンゼルスで4580平方メートルの豪邸に妻と7人の子供と暮らす トニーは、ここ14年で8回のトライアスロンと22回のマラソンに参加し たスポーツマン。同氏は鋳型メーカーや医療機器メーカーなどの工業会 社を担当している。一方、口数の多いJBはパーティークルーズ運営な どサービス企業の担当。

4代目に当たる兄弟はプリツカー一族の複合企業、マーモン・ホー ルディングスを再現しようとしている。3代目だった父の代の3人兄弟 の1人、ロバート・プリツカー氏はマーモンの下に125の多様な企業を 集めた。

お家騒動

トニーとJBは2000年に、5人のいとこたちとともにプリツカー王 国の解体を画策し始めた。姉のペニー・プリツカー(現米商務長官)と 2人のいとこが一族企業の経営で報酬を受け取り過ぎ、一族の資産を個 人の信託に移していると考えたためだ。02年にもう1人のいとこが父の ロバートを訴え、一族の内紛は公になった。法廷での争いを避けるた め、一族は10年をかけて保有資産を再編することに合意し、マーモン は07年から徐々にウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェ イに売却された。売却は14年3月末までに完了する予定。ハイアット は09年に株式を公開した。

兄弟が経営するプリツカー・グループの社員たちは外部投資家から 資金を集めて企業を買収し、素早く売却して利益を投資家に還元すると いうPE投資会社のやり方に疑問を感じている。

マネジングパートナーになったカーボーン氏は、「買収した企業の 中の勝ち組を売ってしまうPE投資の伝統的なやり方が、いやになり始 めていた」と話した。シカゴのPE投資会社ウィンド・ポイント・パー トナーズのマネジングディレクターだったマイケル・ネルソン氏は、投 資家を集める必要があった前の会社に比べ、プリツカー・グループの仕 事には柔軟性があると語った。

ネルソン氏によれば、プリツカーへの問い合わせの電話は多い。ト ニーとJBの仕事はこれらの電話を有利な投資につなげることだ。プリ ツカー家は一族の王国を維持できなかったが、投資先企業の一族や起業 家精神は維持すると、これらの企業の保有者らに納得してもらうのがプ リツカー兄弟が直面するチャレンジだ。

原題:Pritzker Billionaire Brothers Turn From Family Feuding to Deals(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE