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アパートのごみからナチス略奪の名画1500点発見-推定1330億円

ドイツの税関当局は2年前、脱税事 件容疑者の捜査でミュンヘンのアパートを家宅捜索した。

そこで発見されたのは1500点の絵画だった。ピカソやシャガールな どの作品と確認されれば10億ユーロ(約1330億円)の価値があるとされ ている。これらの作品は元々はナチス・ドイツが国内の美術館や個人収 集家から略奪した可能性があるもので、がらくたや古い食品の山の中か ら発見された。独週刊誌フォーカスが報じた。

アウグスブルグ市の検察当局は捜査状況を明らかにするため5日に 記者会見を予定している。多数の作品を略奪されたユダヤ人家族の代表 は、所在不明の美術品を確認するため、当局に作品のリストを公表する よう求めた。

ナチスは1938年から略奪した美術品を競売にかけた。ナチスに美術 品略奪を許した法律は無効となっていないため、第2次世界大戦前に作 品を所有していた美術館は、作品を取り戻す法的手段がない。

フォーカス誌によると、ミュンヘンのアパートで美術品を保管して いたのはコルネリウス・グルリット氏で、アパートは父親のヒルデブラ ンド氏(56年に死亡)から相続。第2次大戦前にハンブルクに在住して いた父親は、38年末から41年までナチスから「退廃」芸術の販売を許可 された美術商4人のうちの1人だった。

ベルリン自由大学のウェブサイト「退廃芸術」によると、4人の美 術商は現金を得るため海外で売却するよう指示されたものの、多くの作 品を国内の美術商に譲渡したり自ら保管したりしたという。

コルネリウス・グルリット氏は、スイスからミュンヘンに向かう電 車内の手持ち品検査で、マネーロンダリング(資金洗浄)事件を捜査す る当局者に身柄を拘束された。フォーカス誌によると、同氏は競売会社 ギャラリー・コーンフェルドに絵画1点を売却した後、ベルンからミュ ンヘンに帰るところだったという。同社はこの取引を否定している。

ナチスに略奪された美術品の回収を支援する組織である欧州略奪美 術品委員会のウェバー共同議長は、「これが重要な事件であるにもかか わらず、どうしてバイエルン州当局者は2年間も公表しなかったのか。 バイエルン州はこれらの作品のリストをできるだけ早く公表する必要が ある」と指摘した。

原題:Squalid Munich Home’s Nazi Art Loot Estimated at $1.35 Billion(抜粋)

--取材協力:Karin Matussek、Oliver Suess、Zoe Schneeweiss. Editors: Mark Beech, Farah Nayeri

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