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トヨタ:最高益更新か、今期予想-アベノミクス円安と原価低減

自動車最大手のトヨタ自動車は6日 午後に7-9月の決算を発表する。円安などで国内事業の採算が大幅に 改善したことなどを背景に、市場では前年同期比で増収増益の予測が出 ており、通期では過去最高益更新への期待も高まっている。

ブルームバーグ・データによるアナリスト6人の7-9月純利益の 予想平均値は4447億円で、前年同期に比べ72%増となる。営業利益の予 想平均値は同79%増の6098億円、売上高は同15%増の6兆2355億円に伸 びると市場はみている。今期(2014年3月期)純利益は会社予想1 兆4800億円に対し、市場予想は1兆8203億円と過去最高だった08年3月 期を上回ると見込んでいる。

回復を牽引するのはアベノミクス円安だ。ブルームバーグ・データ によると、4-9月のドル円相場の平均は99円近くで、前年同期に比べ ほぼ10円の円安となり、輸出採算の改善につながっている。トヨタでは 1ドル当たり1円の円安で400億円の営業増益要因となる一方、今期の 為替前提は1ドル=92円とみており、現状の100円近い為替水準が続け ば利益がさらに拡大する余地がある。

クレディ・スイス証券の高橋一生アナリストは、トヨタの収益改善 の原動力は円安と原価低減で、その効果は基本的に単体決算に乗ってく るとし、単独事業を含む「国内事業セグメントの収益性が改善しやすい 状況にある」と話した。

トヨタは単体決算で12年3月期まで4期連続の営業赤字が続くな ど、国内事業の不振が業績の重しとなっていた。だが、昨年末に発足し た安倍晋三政権が大幅な金融緩和を打ち出し、円安が進行して以降は状 況が一変。4-6月では、営業利益全体の7割近くをたたき出す稼ぎ頭 となっている。

ブルームバーグ・ニュースが集計したトヨタの7-9月の国内事業 の営業利益のアナリスト予想平均値は3633億円で、前年同期の実績値で ある1437億円の約2.5倍と大幅に伸びる。北米は960億円、欧州95億円、 アジア865億円、その他の地域が470億円と、アジアを除いて前年同期を 上回る見通しだが、伸び率は国内事業が最も大きい。

東海東京調査センターの三浦勇介アナリストは今後も現状の為替水 準が維持され、原価低減活動も順調に進めば、国内事業では今後も「あ る程度の利益は稼いでくれる」との見通しを示した。

販売面でも引き続き好調を維持している。7-9月のトヨタのダイ ハツ工業と日野自動車を含むグループ世界販売は前年同期比2.8%増 の250万台となり、約240万台だった米ゼネラル・モーターズ(GM)を 上回り、4-6月に奪われた首位の座を取り戻した。トヨタの発表資料 によると、今年のグループ世界生産は前年比2%増の1012万台、世界販 売は同2%増の996万台としている。

7-9月の地域別営業利益で唯一、前年同期に比べ減少が見込まれ るアジアについて、ゴールドマン・サックス証券の湯澤康太アナリスト は、新車購入優遇措置の打ち切りで販売が低迷するタイの影響があると した上で、「そこが多少動いても為替もあってオフセットが可能。マネ ージャブルな数字だ」と大勢に影響はないだろうとの見方を示した。

トヨタの株価5日午前終値は前週末比0.8%安の6280円。年初来の 上昇率は57%で、日産自動車やホンダを上回っている。

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